IHI(井手博社長、東京都江東区)は4月23日、グループ会社であり、主に物流システム機器を手掛けているIHI物流産業システム(ILM、笠俊司社長、東京都江東区)が、IHIアグリテック(IAT、宮原薫社長、千歳市)の院内感染対策や公衆衛生対策に貢献する感染制御機器による環境事業を7月1日付で統合すると発表した。
IHIグループでは、コロナ禍およびポストコロナにおける公衆衛生規範の変化をうけ、IATで担っている環境事業を「感染防止事業」として再定義し、より広範なニーズに応えられる体制を整えることで、ポストコロナの世界においても成長事業とすべく、同事業をILMへ統合することとした。
現在、IAT環境事業における機器の主要納入先は、病院・介護施設等が中心。また、環境事業では、新型コロナ感染症の広がりを受けた環境関連機器の大幅な増産への対応や、アフターサービス面の強化が喫緊の課題となっている。
今回の事業統合は、両社の営業・サービスのリソースを、感染防止ニーズを持つ各種業界の顧客を納入先とするILMに集約し、環境事業における販売チャネルの拡充と、顧客ニーズをとらえた製品・サービスの拡充を図る狙い。
あわせて、IAT岡山事業所とILM本宮工場等のモノづくり体制を融合し、環境関連機器の生産能力を拡充させることを目的とする。また、Web活用等B2B2Cに適したチャネル構築を推進し、吸い上げたエンドユーザーの声を環境事業の製品・サービス開発に活用することで、さらなる拡販とサービスレベル向上につなげていく考えだ。
IAT環境事業における販売網とILMの強みであるロボット等の自動化機器を掛け合わせることで、物流事業における医薬医療卸分野への浸透を図る。
今回の事業統合により、環境事業を新たに「感染防止事業」と位置付け、IHIグループの次なる柱となる事業に成長させるとともに、より一層の社会貢献を目指していくとしている。