北海道開発局では、道産食品の輸出拡大に向けた実証実験や支援を継続的に行なっている。
第8期北海道総合開発計画では、令和7年までに道産食品の輸出額1500億円の達成が目標。財務省貿易統計における道産食品輸出額は平成30年速報値では約774億円であり、目標達成に向けて年間の輸出額を倍増する必要がある。
北海道開発局では、平成25年から官民連携による輸出プラットホームの取組「北海道国際輸送プラットホーム(HOP)」の構築に取り組み、航空便で冷蔵・冷凍貨物を段ボール1箱から海外に送ることができる小口輸送サービスを開発。これ以降、民間物流企業が冷蔵・冷凍の国際宅急便サービスを開始することになり、小口貨物の航空輸送サービスが世の中に定着する契機となった。
このほか、海上輸送による北海道発の小口混載輸出実験も進めたが、「海外とのマッチングを行う業務に対価が支払われなかった」「サービス対象国が協力してくれた物流企業の配送網がある国に限定されていた」ことなどにより、サービス拡大への動きは限定的だった。
HOPが活動を終えた後、同事業に参画していた企業らが集い、同29年4月に「一般社団法人北海道国際流通機構(HIDO)」を設立。同局では以降もHIDOなどと連携し、冷蔵・冷凍の小口貨物を海上コンテナで混載輸送する実証実験を行っている。
同29年は香港向けに冷蔵品122品目(約7・4㌧)、台湾向けに冷凍品27品目(約2・4㌧)、同30年度は台湾向けに冷蔵品8品目(約1・5㌧)、同31年度は台湾向けに冷蔵品10品目(約3・7㌧)をそれぞれ輸出したものの、輸出拡大への動き依然として限定的といえるのが現状だ。
同局では「現状フルコンテナで輸出を行っている企業が、今後小口混載の輸出に切り替えることや、こうした企業が手配するコンテナの空き情報を他の荷主に向けて公開することは一般的に考えにくい。一定のペースで定期便化されたコンテナの空き情報が利用者に幅広く公開され、複数の荷主が自らの貨物を1本のコンテナで輸送する様なことが実現すれば、利用しやすい環境が生まれるかもしれない」としている。