カメイ北海道支店(札幌市豊平区)は7月7日から、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」のローリー車での供給を道内で初めて開始した。当面、札幌市を中心とした道央エリアでの供給を行い、物流企業や荷主企業の脱炭素の取り組みを後押しする。
サステオは、使用済み食用油などから製造される水素化植物油(HVO)を混合した燃料。燃焼段階でCO2を排出するものの、原料となるバイオマスが成長過程で光合成によりCO2を吸収するため、使用した際に発生するCO2の排出量が実質的にプラスマイナスゼロとなり、カーボンニュートラルの実現に貢献できるとされている。

ローリーでの供給を開始したのは、軽油49%にHVOを51%混合した製品。混合率が50%を超え、公道での走行が可能なバイオ燃料としては日本初。国内規格(JIS規格、品確法強制規格)上で「軽油」とされ、通常の軽油への継ぎ足し使用が可能。地方税法にも合致しており、燃費などは軽油と同等の性能があるという。
藻岩油槽所(同中央区)に専用施設を整備し、自社で小型ローリー車を導入した。同支店ではこれまで、HVO100%と同20%混合のサステオを需要家に向けてドラム缶で供給していたが、ローリーでは51%混合の製品を扱う。
法人営業課の佐々木仁課長は「通常の軽油よりも価格は高いが、設備投資の必要がなく、CO2削減の取り組みをすぐに進められる。自社で環境負荷の低減に取り組めるだけではなく、荷主企業に対してもCO2削減の提案ができる。『環境に優しい』『新しい取り組みをしている』ということで、採用面などにも効果があるのではないか」と述べ、「道央圏内の物流事業者などにサステオを活用いただいており、冬期の使用でも品質に問題はない。環境問題への意識が高まっており、この対策として役立つ製品となっている」とアピールした。