道東の上士幌町(竹中貢町長)、Japan Innovation Challenge実行委員会(上村龍文委員長、東京都港区)、SBドライブ(佐治友基社長、同)、MaaS Tech Japan(日高洋祐社長、同千代田区)は9月20日、経産省および国交省が推進する新しいモビリティーサービスの社会実装に挑戦する地域などを応援するプロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」の一環として、「生涯活躍のまち上士幌MaaSプロジェクト」を10月5日から開始すると発表。自動運転車両による町内での貨客混載の実験を3日間行う。
行政面積が約700㎢(参考:東京23区は約620㎢)に及ぶ同町では、市街中心部や農村地域において主に高齢者などの買い物や通院のために循環バスが運行しているが、財政負担や運転手不足などの課題があった。今後、コスト低減を図りながら、全ての世代が生き生きと暮らす「生涯活躍のまち」の実現に向け、外出の機会を創出するため、移動サービスの利便性向上が求められており、同町では、SBドライブが提供する自動運転車両の運行管理プラットフォーム「Dispatcher」と、MaaS Tech JapanのMaaSに関する知見や技術を組み合わせて、これらの課題解決を目的とした実証実験を行う。
自動運転車両による商品の配送は、10月5日から7日まで、スーパー(Aコープ上士幌町店ルピナ横 町営駐車場バス停)から高齢者が多く居住する団地内(西団地バス停)まで自動運転車両を走行させて行う。
同町住民専用のスマホアプリで注文・配送予約した商品と、同町住民を同時に運ぶ貨客混載による配送事業の実証実験となり、①貨客混載による配送事業の受容性、②自動運転車両の走行に関する技術ーの2点を検証する。
上士幌町は、実証実験の統括・マネジメントを行い、Japan Innovation Challenge実行委員会は、主催するイベントとの連携に関する企画を担う。SBドライブは、自動運転車両走行に関する実証実験の企画、自動運転車両の運行管理プラットフォームの提供を行い、MaaS Tech Japanは、MaaSアプリ提供に関する実証実験の企画、MaaSアプリおよびプラットフォームの提供を行う。
今後について「実証実験は、上士幌町における『生涯活躍のまち上士幌MaaSプロジェクト』の第1弾として行うもので、今回の実験を通して、『生活の利便性向上』の検証を行い、同町の課題解決に資するかを確認する。今後は、2020年4月に開設予定の施設『道の駅かみしほろ』『かみしほろシェアオフィス』とMaaSとの連携による移住・交流人口の増加を目指し、同町住民の外出機会の増加や、既存の移動サービスと配送サービスの組み合わせの検証、回遊性向上による観光客増加などの検証を順次進めていく」としている。