JR貨物は7月17日、リアルタイムに機関車の状態を監視しそのデータを蓄積・解析することで、機関車の保守コストの削減と安定輸送の向上を図ることを目的に、東芝インフラシステムズが開発した「リモートモニタリングサービス」を導入すると発表した。
同装置を導入するにあたり、2017年より機関車3両を用い試験運用を行ってきた。今後、機関車の故障予測等の精度向上を図るためにはさらなる車両データの収集と分析が必要となることから、北海道新幹線との共用区間を走行するEH800形式交流電気機関車全車両に「リモートモニタリングサービス」を導入する。
2019年度末までにEH800形式交流電気機関車20両全てに導入を完了し、2020年度から故障予測の検証分析を開始し、効果検証を行う。その結果を踏まえ他形式機関車への展開を検討する。
機関車の運転席に設置したIoT端末から車両の状態のデータを自動的に地上サーバ に伝送・蓄積することで、リアルタイムに機関車の状態監視を行うもの。伝送されたデータはWEBブラウザを用いて「見える化」を行い、インターネットが繋がる環境であればどこでもPC・タブレット等で監視可能となるほか、そのデータを蓄積して、故障予測等、様々な活用が可能となる。
これにより、①これまでメモリーカードに蓄積して人が機関車から持ち帰っていた運転操作のデータを、サーバに自動的かつリアルタイムに伝送することで、データの抽出にかかる作業時間を短縮し、事故原因解析の迅速化が図れる、②新たに機関車の機器・設備の状態のデータを蓄積し、そのデータを解析することで、故障の予測や機器の劣化把握を行い、車両故障の削減や復旧までの時間短縮により安定輸送の向上が図れるーといった効果が見込める。
同社では、「今後も持続可能な社会の実現を目指しながら、安定輸送を提供しさらなるお客 様サービスの向上に努めていく」としている。