北海道交通・物流連携会議(座長・吉見宏北海道大学大学院経済学研究院教授)の今年度2回目の会合が2月10日、かでる2・7でオンラインで開催され、「北海道交通政策総合指針」において、2021年度から2025年度までを対象とする「重点戦略」の案を了承した。
重点戦略は道の運輸交通審議会、道議会を経て年度内に策定する。
重点戦略では、「交通事業者の連携を一層強化」「MaaS等デジタル技術の活用」「人・モノ・サービスの一体的・効率的な仕組みの構築により、移動や輸送の質を高める」といった社会を今後5年間で目指し、人流・物流に関わる事業者が相互に連携した「北海道型の運輸連合」のあり方について検討を進めるとした。
主な取り組み指標として、物流面では「貨客混載の新規実施を5路線」「道内での自動運転実証試験数を36件」「新たな共同輸送による貨物量を年間30万㌧」「航空国際貨物取扱量1万8000㌧」「北極海航路の利活用に20団体が参画」「道産食品輸出額1500億円以上」などを2025年度に達成すると示した。このほか、「ホワイト物流推進運動賛同企業数」「高規格幹線道路の整備状況」「ドライバーの平均年齢」などを現状より改善させるとした。
同会議ではこのほか、道が独自にトラック輸送に関して行った調査を踏まえてまとめた「北海道における安定的かつ効率的な物流体制の確保に関する検討」の中間報告案を示した。これは来年度以降も検討を進めていくことを確認した。
吉見座長は「中期的な計画の中で北海道の交通・物流を考えていくが、常にwithコロナを意識し、新しい未来を考えていかねばならない。重点戦略は、出すだけではなく、どのように社会に実装していくかが重要。道民に広く周知し、取り組みを進めていく必要がある。また、運輸連合について各者で捉えるイメージが異なっていると思うが、どのような形が北海道にふさわしいか今後示していく」と述べた。