北海道クールロジプレイス 稼働間近

苫小牧国際コンテナターミナルの隣接地に北海道クールロジスティクスプレイス(橋本哲実社長、苫小牧市)が建設を進めている道内最大級の温度管理型冷凍冷蔵物流センターの稼働が今春に迫っている。同施設は、北海道の食に関わる物流のみならず、食産業全体の振興に大きなインパクトを与える可能性を秘めている。

2万8440㎡の敷地に2018年8月に着工、延床面積は1万4180㎡、収容能力は2万200㌧で「単体の温度管理型物流センターとしては道内最大規模」(橋本社長)だ。

苫小牧埠頭(同)の所有地に、苫小牧埠頭のほか、日本政策投資銀行、日本通運、北海道空港、ホクレン農業協同組合連合会などが出資する特別目的会社の北海道クールロジスティクスプレイスが建設・所有し、苫小牧埠頭に賃貸。運営も苫小牧埠頭が担う。

これまで道内で流通する冷凍冷蔵品の多くは、苫小牧港から移入された後、一旦、冷凍冷蔵物流施設が集積する石狩湾新港エリアに運んで保管し、そこから需要に応じて道内各地に運ぶというのが一般的な構造だった。北海道の冷凍冷蔵物流にとって、苫小牧と石狩湾新港間の陸上輸送が、リードタイム・物流コストの両面で大きなネックとなっていた。

また、道産の農水産品は、収穫期に集中して道外に移出することが多く、季節による出荷量の繁閑差が大きかった。同施設は、こういった産品を港湾の近くで保管し、最適なタイミングで出荷することができる高度な鮮度保持機能を有しており、これにより物流の平準化を図る。

今後、苫小牧エリアに食産業の集積を進めるための中核的な拠点と広く認識されており、食品加工業などの誘致にも寄与する。まさに物流主導の地域創生の拠点といえる。

橋本社長は「苫小牧港は、道内に出入りする貨物の半部以上(外貿コンテナ貨物の7割)を取り扱う北日本最大の港湾。建設中の施設は大型だが、中はかなり小分けにして活用してもらう考えで、既に道産食材だけではなく、移入する食材を扱う事業者からも色々な声をいただいている」と説明。
「センターを活用していただくことで、食の付加価値向上、道産品の輸出拡大、食品の加工事業化、物流の平準化などに寄与できる。後背地も広く、多面的な産業集積も図りやすい。物流を中心に、北海道の新しい成長戦略を考えていきたい」と話している。

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