北海道物流人倶楽部 荷主特別対策担当官が講演

北海道物流人倶楽部(斉藤博之代表幹事、北海道物流開発)は3月22日、札幌パークホテルで64回目の例会を開催、運送会社や荷主企業などから60人が参加した。北海道労働局の荷主特別対策チーム・荷主特別対策担当官の金曽恵一氏が「改善基準告示の改正と荷主特別対策チームの取組みについて」と題して講演した。

金曽氏は、「トラックドライバーは他産業と比べて労働時間が長く、所定内給与額が低い実態があり、かつ、脳・心臓疾患の労災認定も多い。過労死防止の観点からも、拘束時間を短くする必要が指摘され、改善基準告示が改正された。自社のみでは対応できないことも多いと思うが、ギリギリ過労死認定に当たらない最低限の目標としてドライバーの拘束時間や残業時間の上限が見直されたと理解してほしい」と述べた。

また、荷主への要請について「令和4年9月27日の自動車運転者労働時間等専門委員会の報告に『改善基準告示の改正後、速やかに、発着荷主等に対し、恒常的な長時間の荷待ちを発生させないこと等について、労働基準監督署による要請を実施』するよう記載され、これを裏付けとして12月23日に『荷主特別対策チーム』が各都道府県の労働局に設置された」と解説。

発着荷主などに対して、「恒常的な荷待ちの改善」「トラックドライバーが改善基準告示を守れるよう協力」するよう「配慮を要請」するのが具体的な動きだとし、「長時間の荷待ちに関する情報メール窓口」や「立ち入り調査で収集した情報」「業界団体などからの情報」を活用し、「影響のありそうな道内の荷主をピックアップし、少しずつ要請に回っており、1月は50社近くに要請した。毎月これくらいのペースで回っていく予定。要請した荷主に対して、その後の対応をチェックするなどは特に行わず、それほど強い権限ではないが、なるべくあちこち、色々な業種の荷主に対して、理解を深めてもらうよう回っていく」と説明した。
また、「北海道では未だ、長時間の荷待ちに関する情報メール窓口への書き込みはゼロ件。北海道ではまだこのHPが浸透していない」と話した。

斉藤代表幹事は「当会は物流というキーワードで横串をさして、色々な人が議論する場として運営している。今年は2024年問題に対する対応や理解を深めていく企画を進めていきたい」と挨拶を述べた。

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