JACCS 車両運用コンサル 「短期代替」道内でも徐々に普及

JACSS(ジャックス、尾崎博文社長、東京都中央区)は、「トラックの短期代替」によって運送会社の収益とキャッシュフローの改善を提案する「車両運用コンサルティング」を展開し、道内でも徐々に扱い案件を増やしている。
運送会社は、中古トラックのマッチングサイト等を活用して車両を高く売却できるほか、新車入れ替えの効果によって整備や燃料にかかるコストの削減をはかることができるため、同社からの提案を受け、「短期での車両代替」の運用をはじめ、効果を上げている運送会社も徐々に増えているという。

尾崎社長は「運送会社が新車を登録してから入れ替えるまでの使用期間は、平成4年に6年だったものが、20年後には13年を超えた。規制緩和により運送事業を始めるハードルが下がり、車両台数10台未満の零細事業者が増えた。同じ時期に失われた20年ということで、物量が減っていく中で事業者が増えていったので、需要と供給のバランスによって運賃は弱含みで進み、さらに、コンプラ対応、燃料費高騰、労働環境の整備などコストばかりが上がっていく中で、事業者の収益が著しく傷んできた。『車の償却負担が重たいので、なるべく償却が終わった車を長く使い続けることで、コストを削減する』という選択をする運送事業者が増え、『トラックを最後の最後まで使い倒して捨てる』という事業者も多かった」とし、「昔のシンプルな車なら、20年使ってもそんなにランニングコストがかからなかったが、最近の車は5年を経過したころから修理代の上昇がみられるようになる。償却は減るものの、修理代が青天井になっており、この10数年くらい運送会社にとって予算にはまらないのは修理代と燃料費というケースが多い」と話す。

同社が強みとする「トラックの市場価格(時価額)を正確に算出する」ノウハウと、「中間流通を排してトラックを安く調達し、高く売却する」ノウハウの両方を活かし、リースに使用するトラックの調達時と売却時のマーケット上での価格を事前に精密に試算し、最適な車両の運用スキームや代替プランを提案する。
保有車両の分析・運用のシミュレーションには「車検証、燃費、仕様・付属品、ETC、走行距離、修理コスト、購入価格、使用済み車両の売却価格」等を出してもらう。

「運送会社にとって重要な資産であるトラックを短い期間で代替することにより、メンテナンス費用や燃料費などを改善させ、総コストの圧縮をはかる車両運用の方法を提案している。売り手にとっては車両を高く売れ、買い手にとっては車両を安く買えるのは、我々が在庫を持たず、買い取りもせず、マッチングサイトを活用して直接買い手を見つけるというやり方を行っているから。北海道のユーザーでは、『沖縄県の事業者さんに車両を売れた』というケースもあり、これは沖縄の事業者にとっては、北海道から沖縄まで車両を運ぶ費用を考えても、当社のスキームで買った方が安いということ。売り側にとっては、『乗っている状態で売買ができる』ということもメリット」としている。

数字の話にいく前に、「そんなにうまい話があるのか」などと机上の空論だという受け止め方をされることが少なくないという。同社長は「事業者がどのように使っているのか、そこから最適な車両運用の答えが出てくる。実際の車両で一度『現状の総コスト』『運用した場合の削減費用』等を出してみれば、説得力が出てくるはず」と話している。

同社の提案を受けて、車両の代替を15年ベースから8年ベースに短縮した道内の事業者は、「車歴が古くなるに伴い、修理代が年々上がり悩んでいた。10年くらいから修理代との戦いとなり、ミッションが故障したから100万円、エンジンが故障したから300万円というような状況だった。修理を委託していたところからは、いつ大きな故障するかわからないため『爆弾』と言われており、いよいよ何とかしなければいけないと思っていた時に、メンテナンスの費用が大幅に抑えられるプランを提案してもらった。それまでは、『車両は長く使うのが当たり前』だと思っていたので、戦略的に代替を進めていくことで、収益の改善ができるという考えがなかった」と話している。

効果について、「費用削減の効果が出るまでに時間はかかるが、それまでに現れる効果でいうと、『爆弾の怖さ』から解放されることが大きい。年間予算を組んでいても、『一発大きな修理』が必要になると、数百万円クラスの上ぶれがある。古い車を何とかだましだまし使ってきたが、このまま続けて使い、1年で1回大きなトラブルがあったとしたら、それだけで何百万円の損失となる。また、それに伴って、仕事に穴があく損失も出てくる。こういう恐ろしさがなくなる」としている。

また、「これまで新車は年間1〜2台ペースだったが、車両運用プランに従ってこれを年間7台に増やした。新車の納車が頻繁になり、ドライバーが喜んでくれる。ドライバーが新車を磨いている姿も見かける。新しい車となれば、事故は自然に減っていくと考えており、燃費も向上する。設備投資資金は当然増えるが、それは金融機関にきちんと説明をすれば問題がない。また、新しい車を使っていることによって、採用にも良い影響が出る可能性もあり、購入機会が増えれば、車の購買単価も変わるかもしれない。目に見えないメリットは計り知れない」と話している。

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