エア・ウォーターは3月29日、グループで物流事業を担う東日本エア・ウォーター物流(濱中一久社長、横浜市港北区)が関東地区の物流拠点の拡充を目指し、茨城県東茨城郡茨城町の中央工業団地 (北関東自動車道茨城西インター前)に「北関東物流センター(仮称)」を建設することを決定し、4月1日に着工すると発表した。
稼働開始は、2020年1月を予定。
敷地面積は3万㎡(約9090坪)。倉庫棟(鉄骨造平屋)は約2000坪で、このうち冷蔵倉庫は約400坪、危険物倉庫(鉄骨造平屋)は約250 坪。
給油所、整備場、車庫などを併設しており、総投資額は約20 億円(土地取得代金を含む)。
同グループの物流事業は、高圧ガス輸送、一般貨物輸送、3PL事業、極低温技術を活かし厳しい温度管理ニーズに応える血漿・血液輸送まで、総合物流企業として幅広い事業を展開している。一般貨物輸送においては、北海道を中核に、全国の拠点を結ぶ輸送ネットワークを構築しており、特に、北海道苫小牧市と茨城県大洗町を結ぶ海上輸送を利用した往復輸送(シャーシ輸送)では、幅広い貨物の取扱い実績を有している。
「北関東物流センター(仮称)」により、北海道と関東地区の各拠点を発着する輸送において、同センターを保管や仕分けを行う中継基地として利用することで、各顧客先に向かうトラックの積載率を高め、効率的な輸送を行うことが可能となる。
これまで同地域で運用していた車両基地や外部倉庫の機能は新拠点に集約する。
同センターには、同社が成長分野と位置づける「低温ネットワーク」の戦略的拠点として、冷蔵倉庫を併設する。国内有数の食糧生産地である北海道と大消費地である首都圏との結節点にある立地を活かし、低温度帯の管理が不可欠な食品物流の荷扱量増加を図る。
あわせて、周辺を発着する海上輸送と陸上幹線輸送の荷扱量を拡大し、北海道と本州全域を結ぶ物流ネットワークを強化することで、より競争力のある物流サービスを提供していく。
同グループは、将来にわたる事業の成長において物流が重要な鍵を握ると考え、事業の安定と成長のために、 グループの物流一元化を最優先の課題に掲げ、全ての事業領域を対象として物流体制の見直しを進めている。
同センターは、近隣に工場があるエアゾール事業の倉庫としても活用するほか、農業・食品事業と連携し、北海道から運ばれる農産物や北関東近郊で生産される農産物の保管・仕分け作業を行い、首都圏の各納品先へ輸送を行う物流体制の構築を見据えるなど、グループの物流一元化の取り組みにも寄与する。