生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長、札幌市西区)は12月19日、関連会社の北海道ロジサービス(岩藤正和社長、江別市)が、令和5年度「物流パートナーシップ優良事業者」として、「物流構造改革表彰」を受賞したと発表。
輸配送に関する物流課題に運送協力会社約20社を巻き込み「カテゴリー集約配送・他企業との共同配送、配車統合と拠点の共同化」を推進。車両台数の削減・ドライバー労務時間の削減・CO2削減など実現した。
北海道ロジサービスは、複数の視点から諸問題へ向き合い、解決へ向けて、主に「コープさっぽろへの全ての出荷配車の見直し(出荷の集約配送等)」、「コープさっぽろへの入荷商材の自前配送強化(入荷の共同配送・調達物流)」、「3PL事業で全配車の見直し(積付改善・車格見直し・拠点の共同化等)」、「更なる事業提携で配車統合・拠点の共同化」―の4つの取り組みを進めた。
それぞれ複数社と連携し、各企業がそれぞれ持つ物流の特性(受発注リードタイム・マテハンを含む出荷形態・温度帯・集荷および納品時間の指定)などを考慮しながらの対策立案を進めた。
「コープさっぽろへの全ての出荷配車の見直し」では、荷主と運送協力会社の双方に物流の問題と対策案に対する説明を実施。「地区・カテゴリー別配車」から「効率重視の配車」のシミュレーションを数カ月に渡り行い、実走行での検証を行いながら取り組みを進めた。
「コープさっぽろへの入荷商材の自前配送強化」では、農産生産品にターゲットを絞り、最も生産が盛んなエリアを中心に、近隣の生産者約160件へ集荷場所のシェアリングと共同配送の説明を実施。冷蔵トラックの荷台を用いてストックポイントの集約整備を行い、生産者の持込み後に共同配送を行う新スキームを構築した。
「3PL事業で全配車の見直し」では、サッポロドラッグストアーからの物流受託へ向けて2019年より準備を開始。受託と同時に倉庫の共同化・荷役のオペレーション・配送カゴ車への積付改善・車両の車格変更などを進めた。
「更なる事業提携で配車統合・拠点の共同化」では、2021年より新たな物流アセットを活用して更に新規荷主への北海道における全面的な物流提案を行い、倉庫では使用頻度の低い夜間帯に荷役業務を行い、輸配送では従来の配車に組み合わせることで少ない車両台数・乗務員での運行を可能とした。
2019年から4年間の取組みで、1日あたり29台のトラックと関係車両全体のCO₂排出量を約10%削減・トラックドライバーの拘束時間は年間5万4000時間の削減を実現した。会社全体としては、新規3PL事業や物量増加に伴い取扱う車両台数は増加傾向(現在、1日あたり車両約500台の運行)であり、2023年から2030年迄に、会社全体でCO₂排出量30%削減を目標とすると共に、カーボンニュートラルを目指し、低酸素車両等のハード面でも検討を進めていくとしている。