アイ・リンク・ロジスティクス 不動産事業に進出「物流×不動産」に強み

軽貨物事業を行うアイ・リンク・ロジスティクス(小野雄太社長、札幌市東区)は1月から、新たに不動産事業「あいりんく不動産」を始めた。「あいあるすまいをおとどけ」をコンセプトに据え、物流業界での経験と人脈も活かし、事業の拡大を狙う。
同社では、宅地建物取引業の北海道知事免許を取得、全日本不動産協会、北海道不動産公正取引協議会に所属し、年明けから本格的に事業をスタートした。

小野社長は建設業や保育園の運営も行う親会社のアイ・リンク(本間勝行社長、同白石区)での物流事業部門立ち上げメンバーであり、現在は責任者の立場。しかし、物流に携わるまでは、電子通信工事などの営業職に就き、宅地建物取引士(宅建)の資格も保有していた。「通信基地局を設置するため、土地のオーナーと交渉し、必要な調査・手続きなどを行う業務に長く従事した。このなかで不動産の取引に興味を持つようになり、宅建の資格も取得した。いつかは不動産業をやってみたいと思うようになった」と振り返る。

アイ・リンクでは、2014年に軽貨物事業をスタートし、その後、利用運送、産廃収集運搬、一般貨物、特定信書便事業と事業を着実に拡大。責任者として「がむしゃらに取り組んできた」と語る。物流業界でのキャリアを積むなかで、しばしば「倉庫を探している」といった照会も来るようになり、「物流と不動産が近い領域にある」と認識、「もともと不動産に興味があったこともあり、今後の進むべき方向として『物流×不動産』という考えが真っ先に浮かんだ」と話す。2023年度に「2年以内に不動産事業を立ち上げる」と社内で宣言した。
宅建の資格はあるものの、不動産業は全くの未経験でノウハウもなかったため、人材の確保を慎重に進め、経験が豊富で信頼できるパートナーが確保でき、体制が整ったことから、事業スタートに踏み切った。

札幌市内や近郊の戸建てやマンションなど居住用の新築・中古物件はもちろん、土地、工場、店舗、投資用物件など幅広く扱う。財務のプロとも連携し、資産運用や相続、節税対策など、「不動産に関するお悩み」の対応なども行う。強みは物流業界で培った経験や人脈を活かした分野で、「事務所や倉庫、駐車場など、物流業は不動産に密接な関係がある。事務所や倉庫を探していたり、逆にテナントを入れたい、土地や倉庫などを売りたいといった希望があれば、お役に立てると思う。保有している土地の有効な活用などにも対応できる」としており、気軽に相談してほしいとしている。

また、「不動産事業での利益を、物流事業での体制補強などにも充てていきたい」と語っている。

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