物流共同化実態調査報告書 日本物流学会 幸楽輸送の事例など掲載

日本物流学会(中光政会長)はこのほど、「2018物流共同化実態調査報告書」を発刊した。
2008年、2012年に続く3回目の報告書で、2012年〜2018年にかけて実施された物流共同化の事例や近年の傾向、文献リストなどが掲載されている。

「物流共同化代表事例の個別分析」では、全国13の事例が紹介されており、北海道からは、幸楽輸送による「十勝地域の野菜の中四国地方に向けた中継輸送・共同輸送」と、北海道コカ・コーラグループによる「道内での清涼飲料・書籍の混載」の2例が紹介されている。

2012年〜2018年にかけて実施された物流共同化の事例では、全国250ケースが掲載されている。このうち「個別企業が複数集まり共同化を行うケース」が45%(前回報告書では38%)を占め、次いで「貨客(客貨)混載サービスにより共同化が図られるケース」が19%(同0%)、「業務提携・資本提携の結果、共同化が図られるケース」が15%(同12%)と上位を占め、かつ、行われる割合が前回より高まった。
一方、「物流事業者主導により共同化を行うケース」が11%(同23%)、「協同組合・連合・協議会等を作って共同化を図るケース」が6%(同18%)、「共同出資による共同物流運営会社等を設立しているケース」が3%(同6%)、「流通業に見られる一括物流のケース」が1%(同3%)となり、前回から半分以下の割合に減った。

このため、「人手不足対策などのため、個別企業が同業種もしくは異業種と連携して、様々な共同化を進める」「企業の経営環境が厳しくなっており、経営の効率化を求めている背景が窺える」「地方公共交通と宅配便企業が協働し、過疎地域などにおける地方公共交通及び物流サービスの維持向上に貢献している」といった傾向があると指摘。

また、「物流共同化のきっかけ」について、これまでは「積載効率の向上」「物流コストの削減」「環境負荷軽減」「取引先からの要望」などが挙げられたが、今回の調査では「コスト削減や効率の向上」から「物流を止めないこと」へと変化していることがうかがえるとしている。

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