セノプロトラックス「ハイドローラートラック」北海道初上陸 富士運輸松岡社長も講演

富士運輸(松岡弘晃社長、奈良市)のグループ企業で車両架装・販売を手がけるセノプロトラックス(瀬野博之社長、同)は10月1日、丸富通商(高野基緒社長、北見市)の登別営業所で「ハイドローラーシステム」を取り付けた大型トラックのデモカーを展示、製品説明と実演を行った。北海道での「セノプロ」ブランドの車両展示は今回が初めてで、道内外から運送事業者、トラックディーラー、架装メーカーら60人あまりが来場した。

これまで富士運輸の車両担当部門として「セノプロ」を展開してきたが、同日付でセノプロトラックスとしてスタート。瀬野社長は「丸富通商の呼びかけで今回の展示に至った。セノプロとして北海道は初上陸。北海道では導入事例がなく、まだ認知度も高くない状況なので、実際に車両を見てもらい、ハイドローラーの良さ・セノプロ仕様の良さを知ってもらいたい」とし、来場者に車両の説明を行った。
「ハイドローダー」は、軽量アルミ製フロアボードとエアーコントロールローラーなどで構成される荷台上の荷役装置。既存車両にも短時間での取り付け・取り外しが可能で、作業効率を向上させる。来場者は興味深そうにデモカーを見学した。

松岡社長は「セノプロトラックス設立の記念すべき日。セノプロのトラックの導入は、会社のブランド向上に繋がりうる。既存ユーザーからの評判も良い。また、『格好良いトラックに乗りたい』というニーズへの対応としても有効で、人材を集めるツールにもなりうる」と紹介した。

その後、登別グランドホテルに場所を移し、松岡社長が「勝ち残る運送会社が行っている!IT投資と人材確保のノウハウ」をテーマとして講演、中小企業を継いでから、リーマンショック後、短期間に事業規模を拡大させた戦略とIT活用の実例を説明した。

「スマホからでもリアルタイムで車両1台ごとの稼働状況・売上・損益などを確認できる自社開発のシステム」のほか、「リアルタイムで空車情報を公開するシステム」「インタンク残量システム」など、独自のIT活用の取り組みを紹介。また、HPのほか、Facebook、LINE、Instagram、TikTok、YouTubeなどによる情報発信に力を入れていると述べ、「HPでは役員全員の顔写真とメールアドレスを10年前から公開している。SNSでは明るく、面白いことの発信を徹底している。こういったことで、会社の信頼性と関心が高まり、人材採用にも大きな効果が出る。SNSは安価なメディアとして運用できるので、何でもいいので取り組んでほしい」と訴えた。

このほか、「本音で話をしてくれる同業の師匠の重要性」「新規顧客獲得のための飛び込み営業の有効性」「マーケットリサーチによる車両開発とリセールバリューを考慮した車両の導入の考え方」「整備工場をはじめとした内製化によるメリット」「サービスにかかる料金・対応を一定にし、追加サービスには追加料金をもらう対応」「法令遵守の徹底・巡回指導より厳しい水準の社内監査の実施」「ビジネススクールによる専門的な勉強」など、自身の経験を踏まえた有効な取り組みを詳細に解説した。

「仕事があり、ドライバーが採用できても、トラックがなければ運べない。近年は発注から納車まで時間がかかるので、ドライバーを採用してから車両を発注しても間に合わない。このボトルネックを解消するため、予めトラックを大量に在庫するようにした。すると、ドライバーが採用できたらどんどんと仕事が取れる」と述べたほか、「法令遵守と安全重視の徹底を最重視している。近年のドライバーはこういった点を重視する層が多く、家族も安心する。ドライバーが集まる好循環につながる」と強調した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする