日通 太平洋フェリーと連携し「BCP対応Sea&Railサービス」

日本通運(齋藤充社長、東京都千代田区)は6月29日、自然災害発生時のバックアップ輸送体制を構築するため、太平洋フェリー(猪飼康之社長、名古屋市中村区)と物流の安定輸送に関する協定を締結し、新たに仙台港を経由する「BCP対応Sea&Railサービス」を7月1日から開始すると発表した。
「関東―北海道」の輸送ルートにおいて、「苫小牧―仙台」間を海上輸送、「仙台―東京」間を鉄道輸送で結ぶ。

近年、地震や台風、集中豪雨などの自然災害が多発し、サプライチェーンに影響を及ぼすリスクが高まり、代替の輸送手段や輸送ルート等の提案を求める声が高まっていた。また、2024年のトラックドライバーに対する時間外労働規制の強化により、将来的な労働力不足も見込まれ、長距離トラック輸送についても今後の大きな課題となっていた。
このような中、貨物が特に集中しやすい「関東―北海道」ルートのBCP対応ソリューションとして、貨物駅と港が近接する仙台を活用した「Sea&Rail輸送サービス」を開発した。

日本通運と太平洋フェリーが連携し、平常時からこのスキームを運用することで、災害時に需要が高まる輸送枠を可能な限り確保し、安定した輸送サービスを提供する。また、環境配慮型の輸送手段および将来的な労働力不足などにも対応する輸送ルートを提供する。

同サービスは、異常気象などによる自然災害発生時に、輸送ルートを複線化し輸送障害区間の回避を可能とすることでBCP対策に有効なほか、環境に優しい輸送により顧客のESG経営にも寄与する。
また、2024年労働法制変更に伴う労働力不足に対応した解決策として効果的であり、「鉄道と海上」間の輸送ルートを相互にシフトすることが可能。

同社は「今回の提携を皮切りに、他のフェリー会社とも協議を進め、BCP対応Sea&Railサービスの拡充に取り組んでいく。顧客の要望にあわせ、代替となるルートの開拓や輸送モードの活用と組み合わせによるBCP対応ソリューションを提供し、顧客の事業継続を支えていく」としている。

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