下川町は10月21日、ハイヤーによる「貨客混載」を事業化する地域おこし協力隊の募集を開始した。
ハイヤーを活用した「人」と「荷物」を同時に運ぶ貨客混載の試みは同町が日本初の事例であり、地域課題の解決と地域のニーズに答えるため、1名の協力隊を採用し、事業化の推進と安定化を図る。
下川町地域おこし協力隊として町長が委嘱し、宅配事業の受託者である下川ハイヤーが雇用する。任期は、採用の日から最大3年間(1年更新)、任期後下川ハイヤーで採用の予定。
同町は面積の9割が森林で占められ、人口約3200人の道北に位置する。高齢化率は4割を超え、各産業の担い手不足や、事業者の高齢化など様々な課題を抱えている一方で、移住者は年々増え、特に20〜40代の子育て世代の移住者数が増えている。ハイヤーを活用して人と荷物を同時に運ぶ貨客混載を日本で初めて実証し、「高齢者など交通弱者の買物困難」「宅配事業所の人材不足」「ハイヤードライバー不足」といった、地域課題を解消する取り組みを進めている。
募集する地域おこし協力隊の業務は、日本初のハイヤーによる「貨客混載」の事業化を目指すもので、具体的には、①町内の商店等から商品を高齢者等へ宅配する(買物支援)、②大手宅配事業者と連携した荷物の宅配を行う、③地域交通を継続・維持するためにハイヤー会社のドライバー業務を担う―の3点。
今年7月から1名の協力隊が着任し、①と②の事業を担っているが、今後買い物支援の対象となる店舗が増え、荷物を引き受ける宅配事業者も増える予定であり、さらに、タクシーを使った貨客混載に向けた仕組みづくりも手掛けていく予定。事業の拡大、事業を組み立てに向けて、地域おこし協力隊の人員を増員する。
応募資格は、普通自動車免許の保有者(普通二種免許や大型特殊の免許保持者は優遇)。普通自動車免許所持者は乗客を載せずに荷物だけを宅配し、普通二種免許取得後は荷物と乗客を同一の車両に乗せ、目的地に届ける。なお、普通二種免許を未取得の場合、3年目を目処に取得、費用は協力隊の活動費から負担する。
月額報酬は20万円(住宅手当1万円、時間外手当)、勤務は週5日、1日8時間(変則勤務もあり)。住宅は、公営住宅もしくは民間住宅の斡旋がある。