丸富通商(高野基緒社長、北見市)は昨年12月、CIを実施。経営理念、ロゴマークと車両デザインを再構築し、20期を迎えるにあたって企業イメージを刷新した。
高野社長は、「今後も引き続き『輸送力』を確保していくため、企業ブランドを一新し、人材確保につなげたい。若い世代への訴求力が高まると考えている」としている。
一連の取り組みは、ドライバーをはじめ若手従業員から抜粋したチームを構成し、彼らの意見を大きく取り入れた。
経営理念は「時代に応える。北海道を元気な未来へ運ぶ」と大きく掲げ、「迅速かつ安全に輸送し、地域の発展に貢献します」「安心と信頼の丸富品質で、お客様の想いに応えます」「北海道の重要拠点をつなぎ、適確な車両を提供します」ーの3項目を設定した。
ロゴマークも経営理念に沿った形とし、「地域の発展」「安心・信頼」「拠点の連携」を表す太い3本の縦軸と「挑戦・革新」を表す右上がりの斜線で構成した「m」の文字を基調とした。
強みは道内の隅々まで張り巡らせた「輸送力」だ。
地方の生産・消費の継続的な落ち込みによる物量の減少、ドライバー確保の難しさ、拘束時間・運転時間抑制の社会的な要請など様々な制約を受け、道内では数年来、「地方部の輸送」をいかに維持していくかが大きな課題となっている。「地方部は物量が少なく、面積が広く、人材確保も難しいため、引き合わない」といった運送事業者の声も目立っており、その対応策として、貨客混載や共同物流、中継輸送といった取り組み事例が増えている。
しかし同社では、道内地方部の輸送網の整備を積極的に進め、2011年に札幌支店を構えた後、2016年に登別営業所、2017年に苫小牧営業所、中標津出張所、2018年に旭川営業所をそれぞれ開設した。
同社長は「事業をやめたいという地方の運送事業者も増えており、今後も地方の輸送力の先細りが予想される。遠いところを繋げられる力を持つことで、その受け皿になれる」とし、「荷主に対して、『ドライバーがいない』『車両がまだ納車されない』『拠点がない』といったことで『運べない』と言い訳をしたくなかった。断るのは値段だけにしたかった」と話す。
そのためにも、今後も道内でネットワークを広げて、車両と人材を揃えていく考えを持っている。
「道内地方への長距離便は、本州便と同じ感覚。拠点や人材を活かし、ツーマン運行や中継輸送、積み下ろしと輸送の切り離しなどを手掛けていきたい」と話している。