ヤマト運輸・占冠村 村営バスによる客貨混載スタート  自家用有償旅客運送を活用した客貨混載としては道内初

占冠村とヤマト運輸(栗栖利蔵社長、東京都中央区)は7月6日、占冠村の村営バスで乗客と宅急便を同時に輸送する客貨混載を同日より開始すると発表した。
この取り組みは、北海道初の自家用有償旅客運送(過疎地域における地域住民等の輸送がバス・タクシー事業者によって提供されない場合に、市町村などが自家用車を用いて有償で運送できる制度)を活用した村営バスによるもの。
北海道運輸局から3月30日に物流総合効率化法の認定を受けており、自家用有償旅客運送を活用した客貨混載事業としては、北海道で初の認定となる。

占冠村では、バス事業者による路線バスのサービス提供が困難なことから、住民の移動手段確保のため、自家用有償旅客運送を活用した村営バスを運行しているが、その路線維持のための収益確保が課題となっている。
ヤマト運輸では、昼到着分(午後分)の宅急便を占冠村に届けるため、富良野支店(担当:南富良野センター)から午後分の宅急便を積んだトラックを、往復2時間かけて占冠村まで走行させる必要があった。
この両者の課題を解決するため、村営バスの車内スペースを活用し、乗客と宅急便を同時に輸送する「客貨混載」を始める。

具体的な業務フローは次の通り。
①占冠村担当セールスドライバー(SD)は富良野支店を出発し、占冠村に到着後、午前の集配業務を行う。
②富良野支店に到着した午後分の宅急便を、他のSDが富良野駅前のバス停留所まで輸送し、村営バスに積込む。
③村営バスが乗客と午後分の宅急便を、占冠村役場前バス停留所まで同時に輸送する。
④占冠村担当SDが午後分の宅急便を村営バスから引取り、配達を行う。

これにより、占冠村は、宅急便の輸送による新たな収入源の確保が期待できる。
ヤマト運輸は、SDの運転時間を削減し、発生した時間の活用によるサービス品質の向上に充てられるほか、トラックが排出するCO2削減による環境負荷軽減の効果も見込める。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする