流通経済研究所(青山繁弘理事長、東京都千代田区)、セブン‐イレブン・ジャパン(永松文彦社長、同千代田区)、ファミリーマート(細見研介社長、同港区)、ローソン(竹増貞信社長、同品川区)は10月17日、北海道で2月に行なった「大手コンビニ3社の地方における共同配送の実証実験」の結果を発表した。
コンビニエンスストアは全国で約5万8000店舗あり、災害時においても重要な役割を果たすなど、社会インフラとなっており、安定的に商品を供給するための物流網の維持・構築が非常に重要となっている。
今回、店舗密度が都市部よりも低い北海道の地方部において、2月21日から1週間の間で、①「コンビニの配送センター間の物流の共同化」と②「遠隔地店舗(買い物困難地域)の配送の共同化」―の2つの実証実験を行なった。
①「配送センター間の物流の共同化」では、これまで自社のセンター間でしか実施されてこなかったセンター間の横持配送をチェーン横断的に実施。「セブン‐イレブンとファミリーマート」「セブン‐イレブンとローソン」の2つの組み合わせで、札幌近郊の基幹センターから、函館のサテライトセンターまでの横持ち配送の共同化の実証を行った。
この結果、1便あたり車両台数を1台、走行距離を275㎞(48%)、CO2排出量を176k㎏(45%)、走行時間を2.5時間(23%)それぞれ削減することに成功した。新商品発売タイミングなどでは物量の増加により、既存のトラックでは運送力が不足し、チェーンごとにトラックを追加手配していることがあるため、その場合など、今回の実験のように「センター間の横持ち物流の共同化を行うことで、このような削減効果が期待できる」としている。
②「遠隔地(買い物困難地域)における店舗への商品配送の共同化」では、物流効率があまり良くない函館南西エリアの店舗配送ついて「セブン‐イレブンとローソン」の配送を共同化し、効果を測定した。この結果、チェーン毎に別々に配送する場合と比べて、走行距離が61.9㎞(22%)、CO2排出量が36.2㎏、走行時間が2.3時間(20%)それぞれ削減する効果を確認した。
「今回の実証実験の結果も踏まえ、SDGsの視点も持ってコンビニ業界における新しい物流の形を、コンビニエンスストア各社と、サプライチェーンを構成するステークホルダー全体で検討していく」としている。