コロナ禍で見直されるトラックドライバー 「エッセンシャルワーカー」として活躍

長く続くコロナ禍の最中、トラックドライバーの存在感が増している。
トラックドライバーは「長時間労働、低賃金」の業種の代表格として、就職先として人気が高かったとは言えず、トラック業界は深刻なドライバー不足に長年悩まされてきたが、コロナ禍において日本中の多くの人が「活動自粛」「ステイホーム」を余儀なくされる中、医療従事者や小売店の店員、公共交通の従事者などとともに、感染リスクにさらされながらも社会生活を維持させるために働く「エッセンシャルワーカー」として見直される動きが出始めている。

トラックドライバーは、トラックを運転して、様々な荷物を顧客のオーダーに応じて、顧客の望む時間・望む場所に運ぶことが仕事であり、日本の物流の中核を担っている。
実際に身の回りにある、ほとんどのモノは、トラックによって運ばれており、トラックドライバーが荷物を運ばなければ、多くの人は日常的な生活を行うことができない。

それにもかかわらず、長年トラックドライバーが不人気だった要因は、「3K」「長時間労働で給料が安い」「社会的な地位が低い」といった「悪いイメージ」が大きい。
これは確かに実際を反映している面もあるが、しかし一方で、人々が買う多くの商品はトラックで運ばれており、トラックドライバーが荷物を運ばなければ、社会生活や経済活動がストップしてしまうことも事実。国民生活や産業の基盤を支える仕事をインフラ産業と一般的に呼ばれるが、トラックドライバーは社会の「インフラ」を担っている仕事だということが、コロナ禍の中で改めて広く認識されたといえる。

災害時などではよくあることだが、今回のコロナ禍でも、トラックドライバーは、「社会生活や企業活動を支える不可欠で重要な仕事」ということが、改めてクローズアップされ、おそらく初めての動きだが、「エッセンシャルワーカー」として位置付けられるようになった。

コロナ禍で多くの人や企業が深刻なダメージを受けているが、こと「トラックドライバーのイメージ」という点においては、改善に向けた流れが出てきているのは間違いない。非常時につき、需要が蒸発してしまった業種もあるが、トラックの仕事はなくならない。

トラックドライバーは、荷物を運ぶことを通じて、多くの人の生活を支えている。「エッセンシャルワーカー」であり、「非常時でも食いっぱぐれのないプロフェッショナルな仕事」として、「悪いイメージ」を払拭するよう、その重要性と魅力を強く発信したいところだ。

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