日本気象協会 誌上シンポ「気象災害時の物流確保のための道路管理」

日本気象協会(長田太理事長、東京都豊島区)は3月1日、2021年11月2日に札幌市内のホテルで開催した誌上シンポジウムの内容をまとめた冊子「気象災害時の物流確保のための道路管理〜大雪・吹雪時の物流を守るための通行規制管理について」を期間限定で公開した。
 
同協会北海道支社では毎年11月に「冬期の物流のありかた」に関するシンポジウムを同市内にて開催しているが、2020年からは新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、座談会形式での誌上シンポジウムへと変更している。

同冊子は学識者、道路管理者、物流事業者による座談会を行い、今後の極端な気象条件の際での物流確保のための気象情報の活用や通行規制管理のありかたについて議論した内容をまとめたもの。物流関係では、野村佳史(北ト協理事、丸日日諸産業)、堤豪気(セイコーフレッシュフーズ物流統括部専務)、斉藤博之(北海道物流開発)の各氏が参加した。

野村氏は、大雪・吹雪時には「帯広方面では国道274号と道東道のどちらか1つを優先して除雪を。石狩・当別方面の国道337号や275号はホワイトアウトによる多重衝突が多発しているので、防雪柵や1車線を待機場所に確保する対応を。国道12号のカムイコタン付近は1車線区間が多く、ツルツル路面になりやすく事故が多発するので、2車線化の推進」といった対応を要望したほか、国交省の道路情報のメール配信サービスについて、「事前に登録した地域外でも情報が届くよう、スマホの位置情報から自動的にメール送信されるようなしくみ」を希望。また、「緊急事態の対応のため、緊急倉庫のような保管施設の設置」を求めた。

堤氏は、吹雪や大雪の際に重要なのは「いつ通行止めになるのか」「いつ解除されるのか」の情報を早い段階で入手することと強調し、「そうすれば、トレーラーの積載量が50%でも出発させるなどスケジュール調整で対応できる」と発言。「なるべく早い段階から定期的に情報をアップデートしていただければ助かる。天候が変わることはわれわれも承知しているので、不確実な段階でも一定のペースで情報をもらえると対応しやすくなる」と要望した。

斉藤氏は「災害時のタイムラインとしてやるべき行動を時系列で決めておく考え方は大事であり、図上演習的な話し合いが出来れば良い。いつどういうプログラムで入ってきた情報なら判断できるかという議論も必要」と述べた。

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