苫小牧埠頭(海津尚夫社長、苫小牧市)は12月24日、11月29日付で温度管理型冷凍冷蔵庫「北海道クールロジスティクスプレイス(HCLP)」を対象として、「EU向け輸出水産食品取扱施設」認定を取得し、この度、一連の通知手続きが終了したと発表。同認定の対象となるEUには、欧州連合のほか、英国、スイス及びノルウエ―が含まれている。
EUなどに輸出される水産食品については、生産(漁獲)から輸出までのフードチェーン全体で管理を行うことが要求されており、水産食品をEUなどに向けて輸出を行うためには、生産(養殖場など、漁船)から加工・流通(製品保管など)に至るまで、EUの求める衛生基準(HACCPを用いた自主衛生管理など)を満たす必要がある。
日本では、農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律第17条に基づき、農水省(輸出・国際局)などが施設の適合性認定や認定後のモニタリングを行う「EU向け輸出水産食品取扱施設」認定制度が設けられている。
同社では、道内最大級の冷凍冷蔵庫HCLPを中核施設として、道産食品の付加価値向上に貢献するとともに、国際コンテナターミナルとの近接性をも活かしつつ、北海道の食の移輸出拡大を目指し、食産業の集積に向けた取り組みを行っている。
今回の認定取得により、例えば海外からの引き合いが強いホタテの玉冷などを、苫小牧港に隣接するHCLPに保管することを通じ、迅速なEU向け輸出を支援できるようになる。
同社では、今後も食の安全に向けた取り組みをさらに徹底するとともに、安全な物流基盤を運営・提供することにより、食産業の成長を後押ししていくとしている。