札幌商工会議所「物流フォーラム&展示会」 物流展示会として初開催

札幌商工会議所の運輸・自動車部会(斉藤博之部会長、北海道物流開発)は12月5日、北海道経済センターで「物流フォーラム&展示会」を開催した。
北海道物流人倶楽部との共同企画となり、同会議所としては初めての試み。道内で物流に特化したオープンな展示会が開かれることは極めて珍しく、今後の継続的な開催に向けてのテストケースとしての位置付けとなった。

斉藤部会長は「物流は最近、動向や課題が多く取り上げられ、関心を集めるキーワードとなっている。物流で活動している人の知識を集め、地域経済に貢献する活動を進めていきたい」と挨拶した。

「フォーラム」では、石狩湾新港管理組合の苫米地庄吾専任副管理者が「石狩湾新港の現状と取り組み」、物流ジャーナリストの森田富士夫氏が「取材者の立場からみた国内市場の縮小と今後の物流」、小樽商科大学グローカル戦略推進センター産学官連携推進部門長・教授の玉井健一氏が「競争と協調を通じた再編に向けて」と題してそれぞれ講演した。

苫米地は同港の概況を紹介し、「北海道経済の中心である札幌に一番近い港湾であり『札幌港』と言っても過言ではない。道北圏へのアクセスも優れている。後背地には道内の営業用冷凍冷蔵倉庫の25%が集積し、北海道のコールドチェーンの結節点となっている」とPRした。

森田氏は、「人口の減少と偏在が進むことで、従来と同じ仕組みでは運べなくなる。本当の物流危機とは、国内市場が収縮していくことで、物流のみならず、製造危機・販売危機でもある。今後、物流は社会的な産業基盤として位置付けが変わり、物流リソースの共同利用が進んでいく」との見通しを示した。また、ドライバーの労働条件改善に向けて、荷主と交渉する際には「ドライバーの人件費を時給で示すとともに、積込料や待機時間料など標準約款と絡めてトータルで話をすることが有効」と話した。

玉井氏は、企業がいつ競争し、いつ協調するのが有利なのかを示し、「価値の創出や普及を進める際には、協調戦略が重要になる」と述べた。

「展示会」では、物流に関連する商材やサービスを紹介する企業・団体26者が道内外から出展した。


アリソンジャパン、旭川市企業誘致推進協議会、北海道物流ニュース、ヒスコム、寺岡北海道、NKインターナショナル、DICプラスチック、サンデン・リテールシステム、ゼンリンデータコム、丸吉ロジ、オリックス自動車、パロス保険サービス、千代田サービス販売、矢崎総業北海道販売、ソルブブレイン、Growth hack、メディア・マジック、ascend、丸山化成北海道、岡田商事、渡辺精工社、扶桑電通、メルコモビリティーソリューションズ、トヨタL&F札幌、川上産業、丸久中央物産が出展。

最新の車載器や物流機器・システムをはじめ、DPF再生サービス、安価なフォークリフトバッテリー、パレットの買取りサービス、保険サービス、企業誘致案内、コンサルティングサービスなどが紹介された。

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