全ト協が3月末に発表した「経営分析報告書—平成29年度決算版」から、道内の一般貨物自動車運送事業者の平均像を見てみる。
同報告書は、会員事業者から提出された「一般貨物自動車運送事業報告書」を基にして各種の「業界指標」を作成したもの。
同年度の事業報告書提出事業者数は全国で3859社で、この中から、①特別積合せ貨物運送事業者、霊柩運送事業者を除く一般貨物自動車運送事業者、②一般貨物自動車運送事業(本業)の売上比率が80%以上の事業者、③傭車売上比率が20%以下の事業者、④日車当りの輸送トン数と営業収益が一定基準内の事業者、⑤事業報告書等のデータに不備のない事業者の各基準に該当する2413社分(有効率:62・5%)を集計したもの。
道内の一般貨物事業者の車両台数の割合は、「10台以下」が41・5%(全国では31・4%)、「11〜20台」が34・1%(同33・1%)、「21〜50台」が18・5%(同28・1%)、「51〜100台」が4・4%(同6・0%)、「101台以上」が1・5%(1・4%)だった。
「10台以下」の割合が4割を超え、これは全国で各地区で最も高い数値となった。また、「21〜50台」の規模では全国で最も低い数値となり、唯一2割を割り込んだ。
全体の75%以上が車両台数「20台以下」の規模となり、これも全国で最も高い数値となった。
1社平均の「資本金」は1226万3000円(同1319万5000円)、「総資産」は1億1784万4000円(同1億8782万3000円)だった。
「従業員数」は14・7人(同22・2人)、「輸送㌧数」は10万8855㌧(同7万3844㌧)、「期末実在車両数」は21・7台(同21・8台)。
「走行キロ数」は83万434㎞(同125万5572㎞)、「実車キロ数」は53万1316㎞(同87万788㎞)となり、「実車率」は約63・9%(同約69・3%)だった。
「営業収益」は1億6382万円(同2億1969万円)、「営業利益率」は0・7%(同マイナス0・7%)、「経常利益率」は同1・7%(同0・6%)となった。営業利益率、経常利益率とも低水準ながら前年度より改善した。
営業費用のうち、運送費の「人件費」は36・3%(同39・6%)、「燃料油脂費」は18・1%(同14・9%)、「修繕費」は7・5%(同6・0%)、「減価償却費」は7・3%(同6・0%)、「保険料」は2・4%(同2・1%)などとなった。「一般管理費」は13・1%(同14・2%)となった。
このことから、同年度の北海道の平均的な一般貨物運送事業者は、22台の車両で年間10万9000㌧近くの荷物を運んでおり、実車率は約64%、約1億6400万円の売上規模で、約108万円の営業黒字、約276万円の経常黒字という姿であることが見えてくる。