札ト協総会 元会長会社との対立、収束に向けて合意報告 旅費支給規程改善へ

札ト協(工藤修二会長、トッキュウ)は5月15日、京王プラザホテル札幌で定時会員総会を開いた。
副会長として髙橋浩氏(日本通運札幌支店)、理事として不動直樹氏(幸楽輸送)の就任をはじめ、全ての議案が承認された。
また、同協会に対し昨年度、会員のシズナイロゴスより照会があった「会計帳簿閲覧請求」などに端を発した一連の問題に対し、5月9日付で「解決の方向性について合意した」ことが報告された。
 

 工藤会長は、「約款改正に伴う届け出状況は4月13日現在、管内では71%と全国的に見ても割合が高く、この勢いを今後の運賃・料金交渉に反映してほしい。無事故無災害に向けた取り組みや睡眠不足のドライバーの乗務禁止などについて、社内で周知徹底をお願いしたい。今年は北海道命名150年の節目の年、みなさまとスクラムを組み、力強く前進するため、協力をお願いしたい」と挨拶を述べた。

 平成29年度は、会員数が12社増加し1045社、協会加入率は67.8%となった。決算は事業活動収入1億7321万円、事業活動支出1億7916万円。前期繰越収支差額とあわせ1969万円を次期に繰越した。同30年度予算では、事業活動収入1億7639万円、事業活動支出1億9154万円を計上した。
 
 同協会の会長を務めた会員企業からの異例の請求は、総会の直前に「合意」があったことが報告され、およそ8ヶ月間にわたる対立は、収束に向かう道筋が示された。

 この問題は昨年9月、シズナイロゴスが「協会理事への旅費の支給をはじめとした会計処理」に疑義を呈し、同ト協に「会計帳簿閲覧請求」を行ったことが発端。
 シズナイロゴスは「同協会が理事らに『実際に宿泊していないにもかかわらず、宿泊料と翌日の日当を支給しており、旅費支給規程に違反している』」ことを問題視し、同協会では「永年の慣行」としていたものの、「現代において必ずしも合理性を有するものではないと考えられる」ことから、10月の正副会長会議で「このような支給を停止」することを決め、「総務委員会に対して旅費支給規程の改善を諮問」していた。

 今回の合意では、「実際に宿泊していないにもかかわらず、宿泊料を翌日の日当を支給」する運用について、「改善の必要性があると意見が一致」したほか、同ト協が「旅費支給規程の改善」を進めることなどが決められた。
 また、旅費支給規程の今後の具体的な取り扱いについて、「同ト協の会内自治に委ねる」こととし、シズナイロゴスは「会計帳簿閲覧請求権の行使を撤回する」ことになった。

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