北海道地域農林水産物等輸出促進協議会(主催・北海道農政事務所)と道産食品輸出拡大戦略推進協議会(主催・北海道)の合同会議が10月7日、北農健保会館で開催され、農林水産・食品産業に関係する行政機関や団体、企業などが参加し、北海道の農林水産物・食品の輸出促進に向けて情報共有と意見交換を行った。
北海道の土屋俊亮副知事は「2019年から2023年までの5年間で道産食品輸出額1500億円の達成を目標とする『北海道食の輸出拡大戦略(第Ⅱ期)』は、鈴木直道新知事の最重要施策の1つ。2018年の道内港からの道産食品輸出額は774億円と過去最高となった」と報告。
「国内の食品需要は高齢化・人口減少により縮小していくため、食糧基地として北海道が発展していくには、今まで以上の輸出が必要。道産水産物の輸出は以前より旺盛だが、農産品や加工品の分野の輸出でも近年は輸出拡大に向けた機運が高まり、チャレンジする人も増えてきている。輸出拡大に向けては、各種認証・国際規格など外形的なハードルをクリアすることも必要となり、各機関に横串を通し、協力していくことが重要。生産者の豊かさと北海道の明るい未来に向けて、課題を一つずつ解決していきたい」と述べ、北海道米、和牛、日本酒、ワインなど近年の輸出の取り組みを紹介した。
2019年上期の道産食品の輸出実績は、噴火湾産ホタテガイの減産、大手フレーク工場の道外拠点への集約、ながいもの収量減少などが響き、275億円と前年同期26%の大幅な減少と報告。
輸出拡大に向けた今後の動きとして、物流面では「苫小牧港の大型冷蔵冷凍倉庫・加工施設の整備」「苫小牧港発ASEAN向け小口混載コンテナ輸送」「空港一括運営委託による物流機能の強化」「大手菓子卸による輸出拡大」「欧州路線における貨物流動状況把握のための実証実験」などが挙げられた。