全国新スマート物流推進協議会(会長:竹中貢上士幌町長、東京都渋谷区)と全国軽貨物協会(全軽協、西田健太代表理事、同港区)は5月27日、オンライン勉強会「地域物流の準公共化に向けて~コミュニティ配送の実現と自治体版CLO設置の意義」を開催、約70人が参加した。
地域住民や事業者が「共助」の精神でラストワンマイルを担う地域物流の準公共化を訴えた。
同協議会の田路圭輔理事は「従来、物流は民間主導で行われてきたが、環境変化により限界を迎えつつある。地域住民の生活の根幹となる物流インフラの維持・確保には自治体を含む官民一体の取組みが不可欠」とし、公共交通分野では、既に「地域公共交通会議」や「地域公共交通計画」といった合意形成の枠組みが存在するため、「物流分野でも、この取り組みを参考に地域での合意形成の枠組みを整備するべき」と述べた。

全軽協の西田健太代表理事は「物流を準公共インフラと捉え、道路、水道、医療と同じく自治体の政策対象として位置づけ直す必要がある」とし、各部門を横断して物流政策を設計・実行する責任者として「自治体版CLO」の設置を提案した。
このほか、地方自治体における物流課題と解決に向けた取り組みとして、北海道新十津川町総務課企画調整グループ長 災害対策事務局デジタル化推進事務局 の政所正人氏が講演。
「移動・買い物・物流は地域の生活を維持するための基本インフラ。バス路線の減少や交涌空白地問題は既に顕在化しており、物流空白地域問題はまだ顕在化していないものの、リスクを抱えた状態。民間事業者の撤退後は自治体だけ支援や負担では限界がある。先を見据えて、持続可能な物流への官民連携のあり方を考えていく必要がある」と訴えた。