釧路開発建設部は10月25日、整備を進めてきた「国道335号標津防災」における新しいルート延長3.8㎞)が同31 日に開通する発表した。
これにより、海岸浸食による道路損壊及び危険箇所が解消され、水産品や生活必需品の安定輸送につながることが期待される。
国道335号は、羅臼町を起点に標津町へ至る延長約42㎞の幹線道路で、国道334号(知床横断道路)が全面通行止めとなる冬期(11月~4月)には、羅臼町民にとって人流・物流を支える唯一の道路となる。海岸浸食等の危険箇所が存在しており、過去10年間で延べ16回、386.8時間の全面通行止めが発生したほか、平行する迂回路がない区間が存在することから、通行止め時には広域な迂回を強いられていた。
今回の開通により、海岸浸食等の影響を受けにくい山側のルートに切り替わることで、危険箇所の回避による通行止めリスクの低減や道路交通の安全性向上などの効果が期待されている。
羅臼町では、ブランド化を進めているブリやほっけ、ウニなどは漁獲金額が増加しており、また、生活必需品の宅配サービスを利用する世帯が増加傾向にあり、冬期に国道335号が通行止めとなった場合、生活必需品の宅配が出来なくなる。水産品輸送や生活必需品宅配サービスの唯一の輸送ルートである国道335号において、当該 区間の整備により安定した輸送を支援する。
羅臼漁業協同組合では「国道335号は、水揚げされた水産物を町外へ輸送する唯一の経路。水産品の安定輸送に貢献する当該区間の整備に期待する」としており、羅臼町役場では「国道335号は、羅臼町の住民にとって特に冬期はライフラインといえる重要な道路。標津防災の整備により、通行止めの心配が無くなるため、生活必需品の宅配サービスの確実性向上などを期待している」とコメントしている。