北海道ロジサービス 物流環境大賞で「低炭素物流推進賞」受賞

生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長、札幌市西区)は6月8日、関連会社の北海道ロジサービス(岩藤正和社長、江別市)が物流連主催の第24回物流環境大賞において、「低炭素物流推進賞」を受賞したと発表。

同賞は、モーダルシフトの推進、輸送網の集約、輸配送の共同化等の物流効率化を図り、温室効果ガスの削減に資する優れた取り組みに贈られるもので、今回1件が選定。運送協力会社約20社の協力のもと、カテゴリー集約配送・他企業との共同配送、配車統合と拠点の共同化などを行い、車両台数・ドライバー労務時間・CO2排出量をそれぞれ大きく削減した点が評価された。

「2024年問題」「労働力不足」などの問題解決を行うため、中長期でアクションプランを策定し、複数社と連携して取り組みを進めた。各企業の物流特性(受発注リードタイム・出荷形態・温度帯・集荷および納品時間の指定)を考慮しながら対策立案を進め、主に「出荷の集約配送」「入荷の共同配送」「3PL事業の見直し」「事業提携で配車統合・拠点の共同化」の4つの取り組みを進めた。

「出荷の集約配送」では、コープさっぽろへの全ての出荷配車の見直しを行い、荷主と運送協力会社の双方に理解を得るため、物流の問題と対策案に対する説明を実施。「地区・カテゴリー別配車」から「効率重視の配車」へとシミュレーションを数カ月・複数回に渡り行い、実走行での検証を行いながら実現へ向けて取り組んだ。
「入荷の共同配送」では、コープさっぽろへの入荷商材の自前配送強化を図り、農産生産品にターゲットを絞り、最も生産が盛んなエリアを中心に、近隣の生産者約160件へ集荷場所のシェアリングと共同配送の説明を実施。冷蔵トラックの荷台を用いてストックポイントの集約整備を行い、生産者の持込み後に共同配送を行う新スキームを構築した。
「3PL事業の見直し」では、2019年からサッポロドラッグストアーからの物流受託へ向けて準備を開始し、受託と同時に倉庫の共同化・荷役のオペレーション・配送カゴ車への積付改善・車両の車格変更を「店舗カルテ」を作成しながら、行った。
「事業提携で配車統合・拠点の共同化」では、2021年より新たな物流アセットを活用して新規荷主への北海道における全面的な物流提案を行い、倉庫では使用頻度の低い夜間帯に荷役業務を行い、輸配送では従来の配車に組み合わせることで、少ない車両台数・乗務員での運行を可能とした。

これらの取り組みを進めた結果、2019年から2022年の4年間の取組みで、1日あたり「29台のトラック」と「関係車両全体のCO2排出量を約10%」「トラックドライバーの拘束時間年間5万4000時間」の削減を実現した。

会社全体としては、新規3PL事業や物量増加に伴い取扱う車両台数は増加傾向にあり、現在、1日あたり車両約500台の運行を行なっている。2023年から2030年迄に、会社全体でCO2排出量30%削減を目標とすると共に、カーボンニュートラルを目指し、低酸素車両等のハード面でも検討を進めていくとしている。

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