札幌商工会議所・北海道物流人倶楽部「物流フォーラム&物流・DX展示会」

札幌商工会議所の運輸・自動車部会(斉藤博之部会長、北海道物流開発)は12月7日、北海道経済センターで「物流フォーラム」と「物流・DX展示会」を開き、物流の2024年問題のクリアに向けた情報提供と最新の商材・サービスを紹介した。物流関係者の勉強・交流を定期的に行っている北海道物流人倶楽部との共同企画で、昨年度に続き2回目の開催。とりわけ「展示会」は、北海道唯一の物流専門のオープンな展示会で、26社が出展、130人が来場した。

「物流フォーラム」では、物流ジャーナリストの森田富士夫氏が「今の物流と今後の物流はこうなる!だから準備が必要」と題して講演。年間の賃金を労働時間で割った「時給」が、全産業平均と比べて大型車の乗務員は約480円、中小型社では約600円低い水準にあり、この差を縮めることが重要とし、労働時間の短縮や運賃アップに成功した事例を紹介。
また、「上限規制に対応できない層を中心として、『労働時間が短くなると、ドライバーの給料が下がる』といった言説に共鳴する事業者もいるが、これは『ドライバーの労働時間短縮にも、企業の近代化にも、業界の社会的地位の向上に対してもマイナスになる考え』と指摘し、あくまで『ドライバーの時給アップ』に向けて働きかけていることが必要。2024年度がスタート。年間労働時間960時間がクリアできたら、次は720時間を目指さなくてはならない」と述べた。

広信工業の広報を務める三好清桂氏が「トラック・物流業界イメージアップの取組と人材不足解消のヒント~自社ブランディングを伝えるSNSの活用」をテーマに講演。インスタグラムを中心に積極的にSNSにより情報発信を行うことで「土木系の運送会社として日本でナンバー1のアカウントに成長し、企業のブランディングや人材確保に好影響が出ていると説明した。

「物流・DX展示会」では、最新の車載器、無人搬送車やピッキングカートなどの物流機器をはじめ、パレットや梱包資材、環境負荷の少ない燃料やエンジンオイル、車載用の防災グッズ、点呼システムなどが紹介された。

斉藤部会長は「道内の隅々までモノを届け続けるにはどうすればいいのか、運ぶ人だけではなく、売る人・買う人も考える必要があるというのが2024年問題の本質。そのためには、ドライバーの長時間労働をやめ、適正運賃を収受し、効率的な物流サービスを提供しなければならない」と挨拶した。

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