イオン北海道(青栁英樹社長、札幌市白石区)は4月2日、西友(大久保恒夫社長、武蔵野市)が営む北海道地域におけるGMS事業を吸収分割の方法によって承継し、西友との間で吸収分割契約を締結したと発表。西友が札幌市内に展開する9店舗(旭ヶ丘店、元町北二十四条店、平岸店、清田店、西町店、手稲店、宮の沢店、厚別店、福住店)のGMSを取得する。買収金額は170億円。承継する部門の2022年12月期の売上高は261億16 00万円。
定時株主総会における契約締結承認決議は5月22日、本吸収分割の効力発生日と金銭交付日はともに10月1日をそれぞれ予定。店舗はイオンなどに変更され、道内から西友店舗が消えることになる。
イオン北海道は、2025年度直営売上高合計3800億円、食品売上高は北海道NO.1となる3000億円を計画。北海道は全国を上回るスピードで進行する人口減少・高齢化による担い手不足や市場規模の縮小、物流の2024年問題等による事業インフラの安定確保に対する懸念といった課題に直面しているが、今回の吸収分割により、優秀な人材と店舗アセットを確保するとともに、個店ごとに最適な店舗フォーマットに改装して店舗価値の最大化を図る。また、スケールメリット等のシナジーを追求することにより、さらなる企業価値向上を企図している。
具体的には、西友から承継する9店舗それぞれについて、店舗立地、競争環境、店舗配置などを踏まえ、最も店舗価値を高められるフォーマットとテナント構成を検討し、店舗への必要な投資を行う。地域・店舗・規模に合わせた商品と売場構成で多様な業態と店舗網を構築する。
消費者のニーズに応えた品揃えによる売上拡大やスケールメリットを活かした商品調達、産地開発、商品開発や、店舗オペレーションの改善、物流コストの低減などのシナジーの創出にも取り組んでいく考え。
イオン北海道と西友は昨年5月に発足した「北海道物流研究会」の創設メンバーであり、道内の物流課題の共有を進めてきた経緯もある。