北洋銀行、北海道二十一世紀総合研究所は12月16日、アテリオ・バイオ(三輪一典社長、上川郡)に「北洋SDGs推進ファンド(北洋SDGs推進投資事業有限責任組合)」を通じて、 2000 万円を出資したと発表した。
アテリオ・バイオは、新聞協同運輸(同)が展開していたバイオ事業の研究開発部が独立する形で2012年1月に設立、運送会社のグループ企業として、乳酸菌サプリメントの製造・販売などを行っている。
扱う乳酸菌は「Bacillus coagulans lilac-01(通称・ライラック乳酸菌)」。三輪社長の自宅に咲いていたライラックの花から独自に採取。殻で覆われた特殊な乳酸菌で、従来の乳酸菌やビフィズス菌と異なり耐熱性や耐酸性等に優れており、微生物特許を取得。
独自技術によって生菌を「おから」でカプセル化し、遠位大腸への送達効果をさらに高めることで、腸内で産生する腐敗物質の低減を図り、腸内環境及び便通の改善を短期間で体感することを可能とした。
これを用いたヒト介入試験の結果は学術論文としてとりまとめ、バイオ関係の英文の専門誌に掲載、「健康でいられる体づくりに関する科学的な研究」が行われた加工食品について北海道が認定する「北海道食品機能性表示制度(ヘルシーDo)」の認定を物流関連企業のグループ会社として初めて受けた。
北洋銀行、北海道二十一世紀総合研究所では、「真の健康の実現を目指し、高度な技術力に基づく製品開発を通じ、健康へのニーズに応える当社の取り組みを高く評価し、北洋SDGs推進ファンドを通じて出資することとした」としている。同ファンドは、SDGs(持続可能な開発目標)のコンセプトに合致する道内中小企業を投資対象とし、資金の提供を通じて地域企業が抱える課題を解決し、地域経済の活性化と北海道の持続可能な発展に貢献することを目的として、2018年6月に組成。今回で18 件目の出資となる。ファンドの総額は5億円。
新聞協同運輸がこのような機能性食品をはじめとしたバイオテクノロジーの分野に進出したのは、本業の新聞輸送が縮小していく中、新たな事業の柱を模索すると同時に、物流事業の拡大を目指す意味合いがある。これらの研究開発や商品の製造販売などによって新たに発生する物流を取り込むことで、「自社主導の物流の創出」や「車両の積載率、実車率、回転率のアップ」の可能性を視野に入れている。