寅福(加藤夢人社長、檜山郡上ノ国町)と北海道電力(齋藤晋社長、札幌市中央区)は7月9日、北海道における太陽光利用型大規模植物工場事業の共同検討に関する連携協定を締結したと発表。
太陽光利用型の植物工場は、屋内で太陽光を取り入れながら農作物の生育環境を人工的に制御することにより、天候に左右されにくい環境で農作物を安定して生産でき、作業環境の向上や通年雇用などにより農業従事者の雇用安定にも寄与する。
寅福は、上ノ国町と青森県むつ市において太陽光利用型大規模植物工場による農業を展開しており、工場内における生育環境・肥培管理などに必要な情報をITシステムで一元管理することにより、生産作業の最適化と安定化を図り、高い生産性を実現している。また、工場内の温度管理には温泉熱や地元産の木質バイオマス資源を活用するとともに、燃料燃焼時の排ガスに含まれるCO2を作物の生育促進に利用することで、地域資源を活用し脱炭素社会に寄与するサステナブルな農業に取り組んでいる。
農業は光や熱などの様々なエネルギーを活用して作物を生産することから、両社は「農業=エネルギーの変換産業」と捉え、今後、同協定に基づき、寅福が有する植物工場事業のノウハウに、北海道電力の事業基盤とエネルギーに関するノウハウを掛け合わせ、地域エネルギーを活かしたサステナブルで新しい農業の形を検討し、地域経済活性化とゼロカーボン北海道の実現を目指していく。