札幌開発建設部は7月28日、整備を進めていた「国道275号江別北道路」において、新石狩大橋の4車線化に伴い自動車の通行方法を変更すると発表した。この車線切替により、平成20年度に事業化された江別北道路3.5㎞が全線4車線開通となる。車線の切替は8月8日。
車線切替区間は、江別市角山134〜同市篠津271(延長1.8㎞)。これにより、札幌都市圏と道北地域を結ぶ国道275号で、江別市内の唯一の2車線区間が解消し、札幌市から当別町蕨岱まで4車線で繋がる。
国道275号江別北道路区間は、札幌都市圏と道北地域を結ぶ放射道路だが、当該区間は前後の4車線にはさまれた2車線区間で交通混雑が課題となっていた。江別北道路が開通することで、道央圏連絡道路の内側にある国道275号唯一の2車線区間が解消し、交通混雑が緩和され、重要な放射道路として更なる機能向上が期待される。
江別第一・第二工業団地に立地する物流センターは、道北・オホーツク地域にある大手スーパーや系列コンビニエンスストアの全ての冷蔵・冷凍食品を配送する物流拠点で、毎日多くの食料品を運んでいる。江別北道路が開通することで円滑な交通が確保され、物流センターの利用促進が図られるとともに、物流 の利便性向上が期待される。
また、当該道路沿線地域では、付加価値の高い切り花が生産されており、これらの切り花は、お盆時期の取扱量が年間で最大となり、観光ピーク時期と重なることから、交通混雑が課題だった。江別北道路が開通することで旅行速度の低下や渋滞発生を防ぎ、付加価値の高い切り花の物流を支える道として機能する事が期待される。
同開発建設部では、地元の声として、「各店舗への配送は、到着時間が指定され、出発時間はそれに合わせて設定しているが、当社が配送時に最も懸念しているのが道路の渋滞。江別北道路が整備されれば渋滞の緩和につながる」とする物流企業のコメントを紹介。
このほか、大手小売企業からの「石狩湾新港内にある冷蔵・冷凍加工場で生産された冷蔵・冷凍食品を江別工業団地にある物流拠点施設に輸送し、そこから道北地域等にあるスーパーへ毎日20台程度配送している。混雑時には配送の安定性が損なわれることから、4車線開通による配送の安定性向上を期待する」といった声や、JA職員からの「花きの出荷シーズンは主に8月で、観光シーズンとぶつかる。夜でも混雑することがあるので、混雑緩和や、遅れを解消できる 江別北道路の開通に期待する」といった声を紹介している。