北海道運輸局と札ト協は7月16日、大学生を対象とした「物流施設体験会」を開催した。
物流業界で労働力の確保が課題となっている中、次世代を担う大学生に物流現場の見学を通じ、物流産業の重要性や社会的意義の発信を行い、物流業界への関心を高めてもらうことを目的とした取り組み。
北海商科大学の3・4年生9人が参加し、コンテナ貨物取扱量が道内で圧倒的に多く、全国でも2番目に多い「札幌貨物ターミナル駅」の構内のほか、5月末に竣工した道内最大級の物流センター「DPL札幌レールゲート」を見学した。大和ハウス工業、JR貨物北海道支社、北海商科大学が協力した。
札幌貨物ターミナル駅では、JR貨物が果たしている役割のほか、コンテナや貨車、緊締装置の種類や活用方法について説明を受けた。また、フォークリフトによるコンテナの荷役作業を見学した。
JR貨物北海道支社では、「当社は唯一全国ネットワークを持ち、貨物鉄道事業を行っている。1日あたり約450本の貨物鉄道が約18万7000㎞走行し、これは地球5周分に及んでいる。大量一括輸送に強みを持ち、20両編成ならコンテナが100個積め、これは10㌧トラック50台分となる。定時運行率は約95%で時間通りの正確な運行にも強みがある。道外に向けて発送される道産農産品の鉄道シェアは大変高く、特に関東・関西地区への食料品の安定供給に不可欠のライフラインになっている」と解説。
あわせて「コンテナは非常に多くの種類があり、全国で5万個以上が流通している。偏積防止のため全てのコンテナの積載状況をシステムでチェックしている。また、コンテナには全てRFIDタグが取り付けられており、荷役時にフォークリフトで自動的に読み取り、オペレーターは荷物の中身や行き先などの情報をリアルタイムで把握できる」などと説明した。
DPL札幌レールゲートでは、同センター内を見学。学生は「札幌貨物ターミナル駅の構内に建設しており、貨物駅との結節が強い物流施設。貨物駅とは連絡通路で結ばれているため、公道に出ることなくコンテナをセンターまで運ぶことができる。ナンバーが付いていない車両でもコンテナを運べるほか、物流コストも抑えることができる。早ければ秋口には最初のテナントが入居する見通し」などと説明を受けた。