大日本印刷(DNP、北島義斉社長、東京都新宿区)は9月11日、宿泊施設等の「書店業以外の事業者」に対し、「本」を組み込んで利用者の体験価値を高める、書店開業支援サービスを開始すると発表した。
書店以外の各種施設で本を販売することで、地域住民等が本を買う場所を提供し、国内の書店減少や書店のない自治体の増加による課題解決にも貢献する。
同サービスの導入第一弾として同19日にオープン予定の「定山渓第一寶亭留(ホテル)翠山亭」(札幌市南区)内の温泉と読書を楽しむ空間「風呂屋書店」の開業を支援する。宿泊者だけでなく誰もが約2500冊の書籍を閲覧・購入できる。
従来の書店経営のビジネスモデルが専業を前提として設計されていることもあり、本の仕入れ条件の厳しさ、利益創出の難しさなどの課題によって、書店開業のハードルが他業種にとっては高くなっていた。DNPは、出版関連事業で培ったノウハウを活かし、書店業以外の事業者に対して、書店開業に向けた一連の支援サービス(本の販売に関する企画・運営業務を代行・支援するほか、書店のコンセプト設計、スペースデザイン、選書、仕入れ、関連物販の仕入れ)などを提供する。
DNPでは、「本のある場づくり」の支援として本サービスを提供し、2026年度までに累計5億円の売上を目指す。宿泊施設のほか、オフィス、ビジネスラウンジなどに向けてもサービスを提供していくとしている。