北海道電力は9月12日、JOYCLE(小柳裕太郎社長、名古屋市中村区)に対し、8月30日に出資したと発表。
JOYCLEは、ごみ処理問題のサステナブルな解決のため、遠方からごみを運んで燃やすという大型の焼却炉を利用した既存の処理方法以外の選択肢として、「運ばず、燃やさず、資源化する」小型アップサイクルプラントを軸とした分散型インフラの構築を推進するスタートアップ企業。
IoTセンサーによりごみ処理費用の削減効果や環境貢献度を可視化できるサービスを提供するほか、ごみを焼却せず、熱分解によってセラミック灰等の資源に精製できるプラントに同サービスを実装したごみ処理プラントの開発に取り組んでいる。
北海道は、他都府県に先行する人口減少の進展により、近い将来、ごみ処理施設の維持が困難となる地域が増えることに加え、ごみの輸送距離の増加に伴う費用やCO2発生量の増加という社会問題の顕在化が想定されている。
北海道電力は、JOYCLEをパートナーとして、北海道のごみ処理問題を解消しつつ、CO2削減・資源循環にも貢献する事業に共同して取り組んでいくにあたり、その第一歩として同社に出資。この出資を通じて、ともに北海道における地域課題の解決に貢献していくとしている。
なお、JOYCLEは、北海道電力のほか、物流企業の寺田倉庫、中部電力ミライズ、三友環境総合研究所、鎌倉投信、前澤友作氏など個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、融資を含む累積総額約1・7億円の資金調達を完了した。
北海道電力の鈴木博之常務執行役員は「広大なエリアの下、人口減少が加速している北海道では、さまざまな社会課題が顕在化しつつあり、その中でもごみ処理の問題は深刻な課題のひとつ。静脈産業の持続可能性を高めながら、脱炭素化や資源循環にも貢献できる新しい分散型のインフラづくりを、北海道の地で一緒に挑戦できると思うと、大変心が躍っている」とコメント。