引越運送利用者保護に関する連絡会議が12月18日、北海道トラック総合研修センターで開かれ、引越しに係る苦情・相談の実態などに関する情報交換を行った。今回で28回目。
北ト協引越部会(松橋謙一部会長、山登運輸)の役員をはじめ、北海道運輸局貨物課の榎本平専門官、北海道立消費生活センター相談支援グループの田原太志主幹らが参加した。
北ト協会長、全ト協引越部会長も務める松橋部会長は「令和7年の引越し繁忙期(3〜4月)は、ドライバー、作業員の手当てができない懸念があり、『引越し難民』がいよいよ発生しそうだ。仕事があるのに運べないという状況が目の前に来ており、引越しできないというクレームの発生も考えられる」と述べ、分散引越しを強くアナウンスするよう申し入れた。
会議では、報告されたクレームのほとんどが「引越し見積もり一括サイト」経由での事案であったことから、これを問題視する声が多数出た。同部会の会員からは「一括サイトは、利用運送のように案件を引越し会社にばら撒くが、責任は一切負わない。結果、『安かろう悪かろう』という事業者に仕事が流れ、トラブルが多発している。何か規制はかけられないのか」という意見が多く挙がったが、北海道運輸局の榎本氏は「(一括サイトは)貨物利用運送事業ではなく貨物取次事業となるので、規制は難しい」と回答した。
また、苦情内容で「相場の半額以下で仕事を受け、養生しないで作業し、床や家財を破損させた」という一括サイト経由の事案もあったため、「『引越し安心マークを取り、教育にコストをかけている高い会社』と『貨物賠償責任保険にも加入せず、トラブル時に対応もしない会社』の二極化が進んでいる。利用者は一括サイトで料金だけを見て決めるケースが多いので、品質の劣る会社が出てきて、問題が発生するもの当然ではないか」という意見も示され、「クレームが多い会社や、品質の高い会社を可視化させて、利用者に価格だけではない選び方を提示することはできないのか。サイト側で対応してくれないと、ずっと同じ状況が続く」との提案も出された。