札ト協 荷主と運送事業者による物流効率化セミナー

札ト協は12月18日、東京海上日動火災保険との共催で、札幌ガーデンパレスで「荷主と運送事業者による物流効率化セミナー」を開催した。
流通経済大学流通情報学部の大島弘明教授が「発着荷主と運送事業者の協力体制の必要性、物流関連二法の改正内容と対応」と題して講演し、特に荷主に向けて「荷待ち時間の削減」「運賃・料金の交渉」を行うよう訴えた。

大島教授は、トラックドライバーの就業条件を変えなければ物流が維持できない状況であり、それには荷主の協力が不可欠とし、「非生産的な荷待ち時間の削減に協力してほしい。これまでは物流についてコスト面を重視してきたかもしれないが、これからの優先順位は、ドライバーの労働条件と生産性」と強調。

また、全ト協の経営分析によれば、業界全体で営業利益は出ておらず、人件費は経費の50%近くまで上昇していることを紹介し、「荷主からの応分な負担が必要。トラック運送事業者が運賃交渉の際に、標準的運賃などの資料を用いて提示した価格は、『合理的な根拠があるもの』と尊重してほしい。『交渉に応じない・不当な据え置き・付帯作業などに料金を支払わない』といった場合は、トラックGメンによる是正指導の対象となる場合がある」と主張した。

運賃や料金の値上げが難しい場合には、「パレット活用による荷役の効率化や、物流の工程やリードタイムの変更など、仕組みを変えてもらいたい」と呼びかけた。

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