トラックのフェリー特例の見直しから4年 北海道に大きな恩恵

トラックのフェリー特例(改善基準告示の通達)の見直しが2015年9月に行われ、「トラックドライバーのフェリー乗船時間が全て休息期間」とされるようになってから4年が経過した。北海道運輸局の「北海道の運輸の動き(年報)」によると、北海道と本州を結ぶフェリーによるトラック航送台数は近年、距離の短い海峡フェリーでは年間24〜25万台程度、中・長距離フェリーでは年間62〜65万台程度で推移しており、この中には無人航送も含まれるものの、これらを利用する年間延べ数十万人のトラックドライバーはこの4年間、もれなく拘束時間が2時間削減された。本州と陸路で結ばれていない北海道にとって、これによる物流・経済全般への影響は非常に大きなものがある。

この4年間、フェリーを利用する道内のトラックドライバー全員の休息期間が大きく増え、拘束時間が大きく減った。間違いなくいえるのは、とりわけ所要時間の短い青函航路(所要時間およそ3時間40分)や苫八航路(同8時間前後)などを活用しているドライバーは改善基準告示を遵守した運行がしやすくなったことだ。

青函航路を毎日活用している道内の事業者は「最大拘束時間を守った本州への運行ができるようになった。以前はドライバーがフェリーに乗ると、2時間の拘束時間がプラスされ、休息期間は1時間40分しかとれなかった。ドライバーはフェリー乗船の2時間前にはターミナルに着くようにしており、乗船時間を合わせた約6時間、会社から見ると『実質的に休んでいる』ような時間にもかかわらず、休息期間はわずかしかとれず、本州便では改善基準告示を守った運行が難しかった」とし、「フェリー特例の見直しがなければ、今でもこのような状況が続いており、働き方改革への対応も難しかった。非常に有り難かった」と話す。

同様の受け止めをしている道内の事業者は多く、「以前は本州便は改善基準告示を守れず、監査が恐い面があったが、これによってかなり違反をせずに運べるようになった」「苫八航路では、フェリーから降りてすぐに走れるようになった」「ドライバーの労務管理が以前より苦労しなくなった」といった声が聞こえてくる。
このほかにも「フェリーを降りてからの休息期間が短縮され、リードタイムが早くなった」「これにより商品の鮮度が高まった」「ドライバーの負担も軽くなった」といった声も挙がっている。「従来は運べなかったものが運べるようになった事例」も増えたほか、「商品価値」「物流コスト」「労働条件の改善」など荷主企業へも波及する好影響が広く出ており、これらひっくるめた北海道全体の経済効果は非常に大きいものと思われる。

この特例見直しは、トラック業界、労働組合、行政が三位一体となり、改善基準告示を守れない運行を減らすとともに、ドライバーの労働環境にも配慮して実現した好事例といえ、結果、各方面に良い影響が出ている。
今後も「トラック業界や地域経済を良くする方向」で「改正できる制度や法令」を見極め、積極的な提案や活動していくことは十分可能なはずであり、そういった動きを物流業界から積極的に行うことを期待したい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする