自衛官向け「運転体験会&合同就職相談会」 北海道で活発に

札幌運輸支局(久原賢一支局長)と自衛隊札幌地方協力本部(瀬田晃一郎本部長)は11月29日、陸上自衛隊真駒内駐屯地(札幌市南区)で退官を控える自衛官を対象とした「運転体験会&合同就職相談会」を開催し、トラック事業者からは、南進建設、共通グループホールディングス、幸楽輸送、広野運輸の管内の4社が参加した。バスとタクシーからも4社ずつが参加。運輸業界を再就職先の選択肢の一つとしてもらうために、トラック、バス、タクシー会社が協力した。自衛官36人が参加し、道内での同種イベントではこれまでで2番目の規模となった。

久原支局長は「運輸業界は深刻なドライバー不足に陥っており、人がいなくて運べないということも起きている。1人でも多くの人に興味を持ってもらい、ドライバーとしてのセカンドキャリアを検討してほしい」と呼びかけ、瀬田本部長は「運輸は自衛官としての経験を活かせる親和性のある業界であり、地域のために貢献できる。ご縁があれば、再就職としての選択肢もあると考えている」と述べた。

参加企業はブースを設置して、 個別に就職相談を実施。会社紹介やドライバーとしての業務内容、福利厚生や待遇面などを紹介。各社の説明を隊員は真剣に聞き入っていた。

また、同駐屯地内のコースでは運転体験を実施。トラックは、10㌧ウイング車、ウイングトレーラ、重機を積んだトラックの体験用車両3台を用意し、隊員は慎重にコースを4週。運転業務の魅力を意識してもらうとともに、ドライバーとして働くイメージを具体的に感じてもらった。

参加した幸楽輸送安全管理推進課の中西一人課長は「自衛官の経験者は前向きで、会社のブランドを真剣に捉えて働いてくれる人が多い。2年前から燃料輸送を手掛けているが、必要となる高圧ガス移動監視者の資格を保有している人材もおり、まさに即戦力として考えている」と期待を示し、同課スタッフの遠藤直人氏も「今回2回目の参加となるが、前回はその後、自衛官の採用につながった。大型免許やけん引免許を保有し、また、規律態度がしっかりし、ルールを守ってくれる人材も多い」と話した。

今回、運転体験会&合同就職相談会に参加した隊員は、興味を持った企業があれば、所属駐屯地の援護担当を通し、各事業者とコンタクトを取る流れとなっている。

【運輸と自衛官のマッチングの相性は】

自衛官は50代半ばで定年を迎えるケースが多く、在職中に大型車両や特殊車両の運転免許を取得している人材も豊富なため、セカンドキャリアとして運輸業界での活躍が期待できる。個別企業としてパイプを持ち退職した自衛官を多く採用しているケースや、ト協として会員事業者の求人票をとりまとめ、一括して自衛隊地方協力本部などへ提出する枠組みを用意しているケースもあるが、北海道では行政同士の直接のつながりでマッチングイベントを積極的に展開している。

北海道運輸局と自衛隊地方本部などが共催した同種のイベントとして、昨年度は99人の隊員が参加。同年度中に退官を迎えた隊員は39人であり、実際に運輸業に再就職をしたのは12人と非常に高確率だ。

近年、全国各地で退官予定の自衛官を対象に運輸業界への再就職を後押しする取り組みが進められているが、こうした動きは「北海道が先駆け」だという。

帯広運輸支局では令和5年11月に「自衛隊退官予定者向けの合同就職説明会・運転体験会」を運輸支局として全国で初めて開催し、自衛隊と運輸業界の関係を構築。その後、道内全域で同様のイベントが広がっていき、今年度はこれまで全道各地(千歳、釧路、北見、旭川、函館)で開催し、今回の札幌、12月には帯広でも実施する予定で7回も行う。

前述の通り、イベントに参加した隊員から管内の運送会社に就職した実績にもつながっており、北海道運輸局としては、そうした動きを今後も継続させ、運転手不足問題の解決につなげていきたい考えだ。

北海道運輸局の相田悟自動車交通部長は「一昨年どの帯広から始まり、昨年度はこういったイベントを全道的に展開した。運輸会社からは実際に雇用に至ったという話も聞こえてきており、成果があがっていると捉えている。なかでもトラックへの再就職が多い。退職後のセカンドキャリアと、人材確保のニーズがうまくマッチングしている。自衛隊の協力もありがたい」と話している。

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