北海道運輸局は10 月に札ト協と協力して札幌国際情報高校のグローバルビジネス科1年生120人を対象とした「物流体験会」を2部構成で行う。このほか石狩開発、石狩湾新港管理組合、エース、東洋水産、北海商科大学が協力。
物流業の重要性を理解し、就職先としての物流業界への関心を高めてもらうことが狙い。第1部では、物流に関する基礎知識を習熟してもらうため、北海商科大学大学院商学研究科の相浦宣徳教授が講義を行い、第2部では、物流事業者4人を招いての講話と、道央圏の主要物流拠点である石狩湾新港エリアで物流現場を見学する。
札幌国際情報高校で同12日、第1部として、北海商科大学大学院商学研究科の相浦宣徳教授が「『モノのながれ』で繫がる北海道と全国各地」と題して、物流についての講義を行なった。
相浦教授は、物流の機能や道外との域際収支を示し、「北海道は単独で生きていくことはできず、他の地域と様々なモノが行き来することで経済が動く」と説明。さらに「北海道は道外と海で隔たっており、トラックで直に運ぶことができない。輸送モードは限られており、近年はとりわけ、青函共用走行問題、並行在来線維持の問題といった課題が懸念されている」とした。
これらの問題により「運べる荷物の減少、輸送費用の増大、リードタイムの延長といった輸送力の低下が現実化するかもしれない。輸送力が低下すると、道内の広い分野に対してマイナスの経済波及効果が出かねない。基本的に全国一律価格のナショナルブランドの製品であっても、将来は物流の問題によって、割高な北海道価格で売られる可能性もある」と強調した。
「なぜそのように運ばれ・保管されるか考え、モノの流れが理解できると経済がよく見えてくる」と指摘し、「モノが有る限り、物流業は決してなくならない。電気・ガス・水道などと同じく社会インフラを担う重要な産業であり、将来の就職先としても有望」と述べた。