北海商科大学で物流を学ぶ菊池大樹氏、鈴木優希氏、佐々木悠河氏、渡邊隆雄氏は11月17日に東京海洋大学越中島キャンパスで開催されたNS物流研究会(樋口恵一会長、川崎陸送)による「物流関連ゼミ学生による研究発表会」で3位に相当する敢闘賞をとった。
4氏は同大学商学部商学科の4年生で、相浦宣徳教授のゼミに所属する。
同発表会は10回目を迎え、首都圏や関西を中心に全国から10校(ゼミ)が参加。北海道の大学からの参加は今回が初めてで、同研究会メンバーの北海道物流開発の斉藤博之会長の強い薦めにより実現した。
4氏は「地域を支える『物流』、地域によって異なる『物流』」をテーマに発表。これまで道内各地で集めた膨大な数の「物流に関するイメージ」のアンケート結果に基づき、「都市部と地方部」「一般人と物流関係者」の間では「物流のイメージに違いがある」と報告。特に「地方部では、便利なサービスが享受しやすい都市部よりも物流が生活に欠かせないという認識が強い」と示した。
また、9月に発生した北海道胆振東部地震の後の報道状況などから、「北海道では物流の重要問題へ関心が高くはない」と主張し、「義務教育での物流教育」や「理解を深めるための活動」の必要性を訴えた。
4氏はこれまでも道内で「市民向けの物流教室」や「物流企業での講演」などを複数回行ってきた経験があり、「大勢の人の前で話すことに慣れていた」という。
アンケートは約2年間にわたり900近くも集めたもので、「他大学にはないデータの厚みがあり、発表の内容には自信があった。発表時間(20分)がオーバーしたことによる減点がなければ(より上位になれたのではないか)と考えてしまう。事前の練習では一度も時間超過をしたことがなかったので悔やまれる」とし、参加常連のゼミも多い中での初参加だったが「1位を狙っていたので、残念な気持ちが強かった」と振り返る。
4氏を指導した相浦教授は「学生たちも満足のいく発表だったと思う。褒めてあげたい」と話している。
ともに卒業後は物流企業に就職する。発表では、「輸送距離が長い」「片荷が余儀なくされる」といった北海道物流の特異性にふれ、「物流の地域特性を仕方ないと片付けず、向き合い、解決策を見出していきたい」と力強く語った。
今後の活躍が楽しみだ。