北海道フードバンクネットワーク「食品届けるラストワンマイルを議論」

北海道フードバンクネットワーク(片岡有喜子代表、札幌市東区)は1月17日、札幌エルプラザで「フードバンクのラストワンマイルを考える」と題してワークショップ形式のセミナーを開催、北海道農政事務所が後援した。
北海道ではフードバンクに関連する物資の保管や輸送などの機能が十分ではなく、物流の課題が大きい。「食品を必要とする人にフードバンクが安定的・タイムリーに届けるラストワンマイル」の方法について意見を出し合い、対策を共有した。

ワークショップでは、食品の保管が個々のフードバンクや職員宅などで小規模に行われているケースが多いことから、「フードバンクの共有倉庫」の必要性を説く声があがったほか、「学校や学童保育など子どもの身近な場所に商品を集め、保管・供給する拠点を設ける」「宅配便や郵便、フードデリバリーのネットワークの活用する」「ドローンによる宅配を行う」といったアイデアが出された。また、「フードバンクの利用者は『ただもらう』ことに慣れている人もおり、こういった人に配送などのボランティアをお願いする仕組みは作れないか」といった方策も提案された。

このほか、道内の先進的なフードバンクの事例も紹介され、北海道済生会総務企画室兼ソーシャルインクルージョン推進室の土谷浩大氏は、地域の大型商業施設内に「フードバンクの自動販売機」を設置し、土日でも無人で食品を渡せる仕組みを構築したと発表。寄付を受けた食品は、就労継続支援事業所の協力により、賞味期限の管理や仕分け、在庫管理、自販機への充填などを行なっていると報告。「昨年5月にスタートし、1か月で約30回使用されている。市民からの関心度も高まり、寄付品も増加した」と述べた。

認定NPO法人まちづくりスポット恵み野の平井梓事務局長は、食料品・日用品の支援を必要としている人が時間や人目を気にせずに都合がいい時に食料品などを取りに行くことができる施設「無人コンビニ型のコミュニティフリッジ」の紹介を行なった。「冷蔵庫設置の倉庫は、登録者がアプリにより開錠できる電子ロックを設置し、食品はバーコードで読み取って在庫管理している。現在300世帯が登録している」と説明した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする