東日本宇佐美北海道支店 需要家向け物流セミナー

東日本宇佐美北海道支店(牧伸哉支店長、札幌市東区)は5月22日、札幌サンプラザで需要家向けの物流セミナーを開催、行政書士の佐々木ひとみ氏が「働き方改革と法改正から見るこれからの運送事業の考え方」と題して講演した。

同氏は、政府の働き方改革に向けた一連の施策について、「労災や過労死が他業種に比べて多いトラック運送業界にとって、長時間労働を是正するためもとてもいいこと。これからは従業員の労働環境や体調を適切に管理し、会社をクリーンにしていかなければならない。労働時間を減らし、有給もしっかり付与するなら、仕事を減らすなり、人を採用するなりの対応が必要で、どうするかを考えていく必要がある」と話した。

また、健康起因事故の発生のメカニズムについて解説し、「運転者の疾病による運転継続ができなくなった場合、事故報告規則を出さなければならず、Gマーク取得事業所ならこれを剥奪されることになる。健康起因事故を防ぐには、出庫前の点呼が最も重要」と強調。
毎日の点呼執行時にアルコールチェックとともに、「血圧と体温の計測も行い、変動がないか確認してほしい。点呼執行者は、毎日ドライバーの顔をしっかり見て、声かけし、血圧と体温を確認することで、ドライバーのちょっとした変化に気づく。体調の異常等があってもわかる。会社がドライバーの健康をしっかり管理していなければ、安全配慮義務違反に問われることもある」と述べた。
「法令はどんどん変わっているが、社歴の長い会社の管理者は昔の知識のままでいることが目につく。点呼執行者など管理者に対し、最低限の知識レベルを確認するためにも、一般講習を勧めたい。また、補助者を含めた点呼執行者の教育をしっかり行い、誰が点呼しても同じ水準を保ってほしい。安全確保につながる取り組みを何もしていないのに事故が少ないのは、偶然の積み重ねでしかない」と訴えた。

このほか、社労士の前田英治氏が「法改正に伴う労務管理上のチェックポイントについて」、宇佐美鉱油営業本部の長井一将副課長が「直近の石油事情について」と題して講演した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする