川崎汽船「日立港〜釧路港」RORO船自動運航実験実施

川崎汽船(明珍幸一社長、東京都千代田区)は11月27日、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」において、無人運航船の社会実装を目指した船上システム単独機能で構成する自動運航システムの海上実証実験を、既存RORO貨物船の営業航路となる日立港と釧路港間往復約1600㎞で実施し、営業運航の中で成功させたと発表した。
川崎近海汽船(久下豊社長、同)が運航する総㌧数1万1413㌧の大型RORO船「第二ほくれん丸」に自動運航システムを搭載し、10月1日から全3航海(10月1日~3日、同9日~11日、同17日~19日)にわたり、実証実験を行った。

沿岸航行では自動運航システムによる認知・分析・判断が高い精度で実行されることを確認した。実験区間において、通常の乗組員による運航体制を維持したまま、自動運航システムを用いて航行し、避航が必要なシーンにおいては、安全に相手船を避けることができる避航ルート提案・操舵制御がなされ、自動運航システムはODD(自動運航システムが正常動作する運航設計領域)として設定している海域で、システム稼働率平均約96%を成し遂げた。

今後は実証実験で得られたデータを元に、当社の強みである安全運航の知見をフィードバックさせ、自動運航システムをブラッシュアップさせる。

川崎汽船では、無人運航機能を実現するため、日本無線、YDKテクノロジーズおよび川崎近海汽船とともに、引き続き、無人運航技術の向上に資する包括的なシステム開発を進め、2025年の実証実験に向け、これまでの研究開発の成果である船上システムの高度化に加え、自動船速制御システムの開発を進め、あらゆる船種に導入可能な高い汎用性を持つ自動運航システムの開発に取り組んでいくとしている。また、陸上からの本船状況の常時監視、操船補佐を目的として陸上システム及び船陸間通信システムの開発を進め、船陸連携技術開発と実証に取り組むとしている。

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