苫小牧港管理組合は12月6日、パワーエックス(伊藤正裕社長、東京都港区)と「電気運搬船及び蓄電池の利活用による苫小牧港の港湾脱炭素化推進及び地域の振興に向けた包括連携協定」を締結したと発表。
パワーエックスは電気運搬船で運ばれた再生可能エネルギーを、苫小牧港臨海部に立地する企業や埠頭等で利活用することを検討する。苫小牧港管理組合は、電気運搬船事業の実現にむけて、苫小牧港における港湾施設の利用調整及び港湾施設の占用等について協力を行う。
また、両者は協力して、苫小牧港立地企業等とも連携を図りながら、苫小牧港臨海部における再生可能エネルギーの貯蔵・供給・利用の促進について検討し、港湾脱炭素化推進、新しい産業の創出及び災害時の電力確保による地域のレジリエンス向上に取り組む。
このほか、港湾脱炭素化推進のための、港湾内における車両EV化、臨海部における蓄電池を利活用した陸電設備の導入等を検討する。
電気運搬船は、船に搭載した蓄電池に蓄電し、電気を海上輸送するという世界初の送電技術。一般的に再生可能エネルギーは、導入ポテンシャルが大きい供給元と電力の需要地が離れている場合が多く、大量導入には送電手段の強化が課題の一つとなっているが、電気運搬船はこれらの課題の解決手段として可能性が期待されている。
苫小牧港周辺は、港湾内の荷役作業等に加えて、背後に多様多種な産業が集積しており、多くの電力を消費するエリアとなっており、この電力需要の一部を電気運搬船が運んできた再生可能エネルギー由来の電力で賄うことで、カーボンニュートラルポートの形成と背後に立地する各種産業の脱炭素に寄与することが期待され。