日本セーフティードライバー協会 新資格「職業安全運転技能士」

 トラックドライバーの安全意識と知識のレベルアップ、地位向上などを目指して新しい資格「職業安全運転技能士」が北海道から誕生した。5月後半から申し込み受付を開始し、6月から試験をスタートさせる。初年度は1000人の取得者輩出を目指し、物流業界での普及を図っていく。

 同資格は、日本セーフティードライバー協会(JSDA、札幌市中央区)が創設したもの。同協会は2016年12月に設立、資格・研修・情報サービスを手がけるナレッジ・インシュアランス・サポート(札幌市中央区)の幸坂竜平社長、WEB制作のcoicoi(同)の比田勝翔社長をはじめ、物流業界からジャストカーゴ(石狩市)の清野敏彦社長、三和物流サービス(札幌市清田区)の末光栄治専務、行政書士佐々木ひとみ事務所(同東区)の佐々木ひとみ代表らが代表理事を務めており、約1年半にわたり資格制度の準備を進めてきた。

 同協会では「物流業界には経営者や管理者向けの資格制度は多数あるが、トラックドライバーの公的な資格は運転免許くらい。ドライバーの評価基準も会社や管理者によってまちまちで、評価するモノサシがない状況」とし、「職業安全運転技能士を持っていると、プロドライバーとして一定の知識があるという目安がわかり、他のドライバーとの差異化にもつながる」と説明。また、「資格取得に向けて意識をもち、勉強をしてもらうことでプロとしてのモチベーションアップにもつながる」としている。
 試験は、①整備の知識②一般マナー③救急救命④安全衛生規則⑤道交法⑥労基法ーの6科目。申し込み後、専用のテキストで自習し、WEBで試験を受ける。50問中、7割以上の正解で合格となり、合格者にはライセンスカードが付与される。PCのほか、スマホやタブレットでも受験が可能で、「いつでもどこでも受けられるのがメリット」としている。
 「しっかりテキストを読んで勉強すれば合格できるレベル。一定期間内なら追試も受けられる」という。
 また、資格保有を継続していくためには、2年ごとに更新試験を受け、合格する必要がある。「法令の改正などのフォローアップにもつながり、知識の定着も図れるようにした」としている。

 同協会では「資格は無形の財産。職業安全運転技能士の普及によって、トラックドライバーの地位向上と事故削減に寄与していきたい」とし、「今後、実技を交えた技能試験や、よりレベルの高い資格の創設を検討している」としている。

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