札幌国際エアカーゴターミナル(SIACT、山本貴之社長、千歳市)は7月6日、令和2年度の事業報告書を発表した。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、4月と5月の輸出入取扱量はそれぞれ280㌧、287㌧と取扱の主力であるホタテの輸出が激減し、8割超の減となった。6月より旅客機による貨物チャーター便の運航が始まり、輸出入貨物取扱量は6月は7便で424㌧、7月は18便で558㌧と便数増により取扱量も増加。その後も増え続け、12月には55便で1918㌧と同年度の月別で最高の取扱量を記録した。
同年度の合計は、便数340便、輸出入取扱量1万2713㌧となり、前期対比78.9%まで回復した。輸出量は1万1500㌧で前期比較180㌧の減となり、前期対比98.5%となった。輸入量は1212㌧となり前期比較3229㌧の大幅減となった。
売上高は3億3896万円と前期比較1億4843万円の減、前期対比は69.5%となった。営業利益は5568万円の赤字となり、前期比較1億568万円の減となった。営業外収益は雇用調整助成金収入が収益を押し上げ4125万円、経常利益は1401万円の赤字、純利益は1450万円の赤字となった。
令和2年1月に道内7空港のターミナルビル事業の運営が開始され、同6月からは各空港の運営が順次開始。同社は7空港一体運営の中で唯一の国際貨物を取扱う会社であり、コロナ禍前は、毎年順調に取扱量を伸ばし、輸入上屋の新設や荷捌きエリア・駐車場の拡張などを進めてきた。対処すべき課題として、今後、雨や雪で輸出貨物を濡らさない対策を講じる荷捌きエリアの屋根掛けが必要な設備となるとしている。これにより輸出貨物の品質確保と作業効率向上を図ることが可能となる。