北海道  フィンエアー「新千歳〜ヘルシンキ線」活用し輸出実験  欧州との最短・最速路線で物流検証

北海道は1月から2月にかけて、北海道と欧州と結ぶ17年ぶりの定期航空路線・フィンエアー「新千歳〜ヘルシンキ線」を活用した欧州への航空貨物輸出実証事業を実施、3回の輸出の実験と併せ、欧州への輸出入に係る各種調査を行う。
初回の輸出実験が1月10日に行われ、新千歳空港で航空コンテナ3個を航空機に搭載する場面を報道陣に公開した。

同事業は、同路線の貨物スペースを利用し、欧州輸出に係る課題や対策、今後の活用可能性などの検証を行うもので、輸出実験のほか、現地での様々な調査を行うために1000万円の予算を組んだ。実験の仕向地は、ヘルシンキ、ミラノ、ロンドン。

初回の実験は、11時35分発ヘルシンキ行きのフィンエアー66便(エアバスA330)を利用。イタリア・ミラノのバイヤー向けた道産食品(味噌、醤油、海苔、しいたけ、水など)のほか、1月21日にヘルシンキで開催予定のフィンエアー就航記念レセプション向けた道産食品(道産米ななつぼし、日本酒、ワイン、ホタテなど)など、8事業者から発出された30品目を輸送した。輸送重量は約140kg。

北海道では昨年12月、フィンエアー「新千歳〜ヘルシンキ線」が就航し、通年で週2便運航している。日本からの所用時間は9時間35分、ヘルシンキからの所用時間は8時間55分と「日本と欧州とを最短・最速で結ぶ」路線として、物流面での活用も期待されている。

北海道では2002年以降、欧州とを結ぶ路線がなかったため、欧州への輸出入のニーズが十分に把握できておらず、同実験と調査を通じて、北海道発着の長距離路線を活用した荷物の種類や量、仕向地などの情報の把握に努める。

北海道総合政策部航空局の中尾敦航空課長は「約5億人の人口がいるEU市場への道産品の輸出拡大に向けた第一歩。サプライチェーンが上手くいくのか様々な検証を進めたい。これまで欧州へは成田空港を中心に他空港を経ての輸出だったが、北海道からダイレクトで運べるため、リードタイムや輸送コストの面でメリットが生じると考えている」と話した。

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